これまでも書いているように、本作の内容にまだイマイチハマりきれておりません。
仮にそれが「坂元作品が苦手だから」という理由から来ているのなら
元々嗜好に合わない…で済むのかもしれませんが、
そうではないから、ちょっとした悔しさが残るんです(笑)
ここ何年かで見た坂元作品をどれも好んで見てきた自分としては、
本作があの展開で何を描こうとしているのか掴み取りたいし、好きになりたい…というのも
正直な気持ちではあるんですよね。
で、いろいろポジティブに捉えて今回を視聴して思ったのは、
ED映像に映っているルービックキューブが、
本作がどんな物語であるかを象徴しているのではないか?と。
もっと細かく言うと…ミステリーに重きを置くよりも、
物語を通して、人が潜在的に内包している多くの性質を
どれだけ浮かび上がらせる事が出来るのか?を
実験的に描いているんじゃないかという気がしています。
例えば、いろんなドラマを見ていると、登場人物をある程度決めては、
「この人はこんな性格」「この人には〇〇な印象を持たせたい」などと
各々のキャラクターを設定づけて、初めて内容を成立させる作品も散見されますよね。
1人1人に”役割”を与えれば、その枠から基本はみ出す事はないから、
プロットが組みやすい…という利点があるかと思います。
でも、本作の登場人物は”役割”をガッチリと固めていません。
最低限の性質は持っているし、そこから来る傾向もあるんだけれども、
その人となりを掘り下げて行くと、決して一面だけではないのかもよ?という事を
ずっと描き続けているような気もするのです。
こう考えると、まあまあ見やすくはなりました。
ただ、そうであっても…
あとはやっぱり、4人の背景と事件パートの結びつきがもっと強ければ
ちぐはぐ感が薄まるのになぁ…という惜しさは残るんですよね。
「私の中に肉じゃがとコロッケがいる」など、今回は台詞や所作の節々で
星砂(松岡茉優)の多重人格を匂わせる内容になっていただけに、
どうせなら事件パートも、人格が入れ替わった事による記憶違いをオチに使ってみても
良かったのかもしれません。
まぁでも、その展開にしてしまうと、スーパーで万引きGメンとして配置されている
星砂の立場が危うくなって、警察から追い出されてしまう…なんて事になって、
「警察署に勤めているものの、捜査権のない4人が集まった」というコンセプトから
大きく外れるから、普通の事件解決に落ち着いた可能性もあるんでしょうけどね。
でも、今まで4人とは何の関連性もない事件だったのが、
今回は星砂の日常と絡んだ事件になっていただけ、大分見やすくはなりました。
4人のパートと事件パートに特に”繋がり”がないと、
1時間内で2つのドラマを見ているようなぎこちない感覚に陥ってしまっていたので…(汗)
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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