私自身、坂元作品の根強いファンって訳ではないのですが、
これまで見てきた「最高の離婚」「いつかこの恋を思い出して〜」
「カルテット」「anone」「大豆田とわ子と三人の元夫」は
どれも波長が合うなぁとは思っていて。
だから、坂元裕二さんの描かれる脚本は間違いないと踏んで
本作にも期待していた部分もあったし、
上記で挙げた作品に共通した「初回から目が離せない会話劇」
「”陰”が見え隠れしてどこか放っておけない人物像」で
また楽しませてもらえるんだろうなぁというワクワク感もありました。
しかし、いざ初回を見てみると、こう書きたくはなかったんですが…
坂元作品にしては、物語の方向性、人物のキャラ付け、会話劇、
あらゆる方面において薄味に終わってしまったような気がします。
まず、何と言っても、形が整うまでが遅すぎたんですよね。
物語がどんな方向に行きたいのかが何となく掴めたのは、
放送してから約30分後というテンポの悪さ。
本作のテーマは「小洒落てこじれたミステリアスコメディ」だそうですが、
「ミステリー」と「コメディ」という、本来相容れないようなジャンルを上手く消化しきれず、
コメディを淡々とシュールに見せる前半と
4人で謎解きをして真相を掴んでいく後半とで乖離していて、
「結局、何がメインなの?」と思わずにはいられない
どちらも中途半端な作りになってしまっていたのが残念でした。
まぁ…初回には初期設定の紹介が付き物とは言え、
せめて、本筋とは無関係な要素をもう少し端折るか、
4人のキャラを濃くして、聞いているだけでいちいちツボを突いてくる
会話劇が全体的に散りばめられていたら、この違和感も減ったのかもしれません。
うーん、どちらにせよ、本筋に突入するまでのやり取りが
あまり楽しめるものではなかった…というのが、
初回で惹かれなかった一番の原因ではありますかね。
そして、坂元作品はただでさえ視聴者をふるい落とす作品なのに、
昨今でブームになっている「真犯人は誰か?」で
SNSで盛り上げさせる”考察”要素が盛り込まれているのがまた
コメディの歯切れの悪くして、難解さを生むんだと思います。
あとは…劇伴担当・SOIL&”PIMP”SESSIONSだとお馴染みの
サクソフォン(?)風の音楽が、
“小洒落ている”イメージを強く押し出しすぎているために、
涼しい顔で淡々と”物語をこなしている”ような感覚を覚えてしまう気もします。
誤解して欲しくないのは、
決して、ご本人の音楽スタイルが微妙って言っている訳ではないんです。
単に、本作が目指す方向と相性が”今回は”合っていなかった…それだけなんです。
…もう言っても、しょうがないっちゃしょうがないんですけどね。
ここは慣れるしかないんでしょう。
個人的には、今まではどれも初回から「面白そう!」と思えた作品が多かったので、
今回はレアケースでちょっと困惑しています。
回りくどい人物説明が減った分、次回から見やすくなると良いんですが…
Source: りんころのひとりごと。
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