ある意味、ガバガバセキュリティでしたね…w
ゲームがSAGASにパクられた背景を知っておきながら、
なぜかそっち側にいる隼人(松下洸平)に社外秘のゲームを見せちゃうし。
じいさんズも気にしていないようだし。
ジョン・ドゥへの思い入れが強い隼人じゃなかったら、日曜劇場の今までの作品から考えたら
情報を盗み取られる展開になるからね!?と思いっきりツッコんでしまいましたよ(笑)
そんな感じで、基本的にはご都合主義な流れで進んでいってはいるんですが…
でも、ツッコミで終わらないのが本作なんですよねぇ。
今回は、那由他(山﨑賢人)と隼人の”責任取り”から来る友情の熱さに泣かされました。
2人の関係性を描くのに一番グッと来たのは、
橋のシーンでの「寄り」「どアップ」切り替えを巧みに使った演出。
どアップ演出は、日曜劇場の池井戸作品(を手がけたスタッフ)ならお馴染みの手法なのですが、
本来は、周りの情報が削ぎとられる分、登場人物の表情や台詞が
よりダイレクトに伝わって来るという特徴を持っている…と思っています。
本作ではその特徴をきちんと汲み取り、那由他と隼人の人柄を表すものとして
上手く消化されている気がしました。
最初は、相手に向けて話している状況を分かりやすくするために、
片方が喋っている時は、1つの画面にもう片方の後ろ姿も映す。
隼人がSAGAS側に就いた理由を察した那由他が、彼の心境を代弁し、
核心を突く言葉を言ったタイミングで、さらに人物を寄せて撮ったカメラワークへと変わる。
お互い本音をぶつけた事で、長い間離れていた2人の距離が
縮まり始めたのを示す演出…ともとれます。
そして、引き止めるタイミングで、初めてどアップ演出を取り入れる。
「俺がここにいんだろ!」…ここのくだりは何だか、少年漫画を読んでいるようで
胸が熱くなりましたね。
そこからは、寄せのカメラワークをベースにしてやり取りを見せながらも、
ラブコールを送る那由他、一度決めた覚悟は中々捨てられない隼人でどアップにする。
どアップ演出を効果的に使った事によって、
那由他は、大好きな物や大事に思っている人に対して伝える言葉に
全く嘘がない真っ直ぐな性格で、
隼人は、もうこれ以上仲間を巻き込まないようにと、1人で罪を背負って抱え込もうとする
責任感の強い性格であると読み取れる作りになっていたのが良かったです。
2人じゃないとゲームのアイデアは生まれない。相棒ってやつですねぇ。
ゲームプレイのスタイルでも触れられていましたが、
2人のキャラが”攻め”と”守り”で真逆になっているのも、コンビならではの設定で
これまた面白かったです。
ただ、内容全体を踏まえて、1つ惜しいなぁ…と思う点を挙げるとするなら、
海(岸井ゆきの)がジョン・ドゥの解散の経緯を知る時の見せ方ですかね。
CM明けで、また次のCMが入るまでの約10分間を、
森田(岡部大)から真相を教えてもらう場面でまるまる使ってしまったために、
ワンクッション置かれて、物語の進行を止められたような感覚は覚えました。
那由他か隼人から聞かされるのなら納得行きますが、
3人と特に深い繋がりのない、那由他をネカフェに居候させているってだけの彼が
なんで解説者の立場に回っているんだろう…?という疑問もあったんですよね。
そこで思うのは…例えば、「辛そうな顔してた」と海が明かすシーンがあったじゃないですか。
会場でのシーンを見る限り、彼女は既にそう感じていたはず。
なら、もう一度どこかで隼人と偶然会う展開にして、
表情の事を言って図星をつかれた彼が、全てではないものの過去を話して…
それからあの回想を挟んで…
去り際に残した意味深な言葉の真意を、森田に代わりに教えてもらう(補足する)…
という形をとった方が、停滞感も薄まったんじゃないかという気はします。
しかし、「こんな設定・展開だったら…」と思う部分もあるものの、
決める所はバシッと決める演出のお陰で、
現段階では、今期のラインナップの中で上位に来ている作品です。
次回は財務顧問が赴任してからのお話。
まぁ…前後の内容的に、騙されるパターンでしょうね(笑)
そのまま退場するのか、
那由他の熱量にやられてもう1人社員が増えるオチになるのか、楽しみです。
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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