今回、ユキコ(杉咲花)が「見えなくても同じものを好きになれる」と言っていたけれど、
その言葉をまさに青野(細田佳央太)が体現してくれたような気がします…。
空(田辺桃子)に嫌がらせをしていたのは元彼で。
最初は優しさのつもりで接していたのに、
ある日別れを告げられてしまったのが気に食わなくてあの行為に出たんでしょう。
だから「してあげた」。
元彼はきっと見返りが欲しいタイプで、
“障がい者を助けている自分”という優越感に浸っていなければ
「してあげた」なんて言葉は出てこない。
健常者とか障がい者とか関係なく、本当に好きだったのならば、
空がマラソンが一番の楽しみである事も知っているはずだし、反省もするはずなんですよね。
日常生活では「すみません」って息を吐くかのように言う癖して、
本来の意味では使おうとしない。終いには「親が…」とか言い出す。
こいつはムカつく…こんな奴捕まれば良いのに…と誰もが思うタイミングで、
青野が勢いのままに感情をぶつける所がね…もう、泣けました。
ああ、気持ちは同じだったんだ…っていう嬉しさも込み上げてくるほどでした。
結局、名前を呼ぶだけだったけれども、その後に何を言いたかったのかは伝わってきます。
ピアノが好きになるのも、ラーメンが好きになるのもそれと通ずるものがあって、
きっとこういうアクションを起こす事から始まるんだろうなと。
見えないものだったとしても、他の感覚を使ったり(あのシーンで言えば聴覚)、
今どんな状況なのかを読み取ったりと
自分の能力を活かして目の前の物事を知ろうという意思があれば、
“好き”は見つかるし、共有出来る。
2人のためのマラソンコースを計画したユキコも流石でしたが、
「見える」「見えない」で生まれる壁を少しでも埋めようとしてくれているのが分かる
ストーリー運び・構成の丁寧さに、今回も心を動かされました…。
しかしまぁ、1話の感想で書いた
「自分にとっては 周りと比べて浮いている=普通じゃないと感じる部分でも
相手が普通だと思わせてくれる」を、いろんな形で、本当にブレずに描き続けてますね。本作。
いつもは何となくマイペースで、知識と教養の豊富さから
みんなよりも一足早い”人生の先輩”なイメージのある青野だからこそ、
怒りを露わにしたのも新鮮に映って、引き込まれて見てしまいました。
そして…個人的にもう1つ新鮮だったのは、
主人公の友達と主人公の彼氏が真正面からぶつかり合っている構図。
主人公と彼氏or友達がぶつかり合うのは見た事はあっても、
関係者同士で…っていうのはあんまり見た事ない気がして。
あくまでも主人公を引き立てるために作られた”脇役”じゃなくて、
全員にスポットライトを当ててそれぞれの考えを掘り下げていく描き方をしているから、
「こんな世界の見え方もあるのだ」という新たな発見に繋がるのだとも思っています。
後半戦に進む段階で、ユキコと森生(杉野遥亮)の話からはちょっと離れて、
今回は友人の空にフォーカスを合わせた作りになっていたのも
捻りが効いていて良かったです。
で…次回は浴槽でのシーンやら、イズミ(奈緒)の告白やら、
全体的には話が動きそうですが…なんと、来週はお休み(泣)
ベストアーティストの存在をすっかり忘れておりましたw
寂しいですなぁ。
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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