1/5放送の木曜ドラマ2本から始まった今期。
金曜、土曜、そして日曜の前時間と、初回を一通り見終えて、
正直微妙…か、良い感じだけど毎回感想を書くほどでもないかも…が続いた中、
面白いどころか、週に一度の楽しみと言っても過言ではない作品にやっと出会えました。
それが本作です。
根本的にはタイムリープもの。
定期的に生み出されているので、このジャンル自体には特に真新しさはありませんが、
本作の場合は”ちょっとだけ新しい”のがポイントです。
例えば、タイムリープものであるあるの、今までの人生に後悔を覚えたり、
選択を誤って予期しない事態(死)を招いたり…
といった悲壮感を漂わせながら物語が始まるのではなく、
ただ「オオアリクイになりたくない」という理由だけで、人生のやり直しを決意する。
この軽さが既に面白いんですよね。
おまけに、”今の姿”で過去の世界に飛び込むのではなく、
あくまでも”今の自分”が過去の自分に乗り移った、
ある意味「生まれ変わりの人生」を送る訳だから、
過去の出来事の書き換えや、過去の自分とばったり会ってしまう…
などの禁忌を気にする必要もありません。
禁忌がないから、この先どう展開されていくのかが逆に読めなくて、
それが、早く次を見てみたいという気持ちにさせるのです。
脚本自体も、「パーツごとの楽しさ」と「全体の楽しさ」
両方兼ね備えた作りになっているのが凄いです。
「パーツごとの楽しさ」…は、幼馴染同士で繰り広げられる会話劇。
高校時代に内輪で流行った事で盛り上がったり、あの同級生って今どうなってるの?の話題から
今度はあだ名で呼ばれる先生の話題へと移り変わったり、
思った事を気兼ねなく言ってみたり…と、会話の内容全てが”あるある”で、
3人の中に紛れ込んで一緒に話を聞いているんじゃないかと錯覚するくらいには
夢中で見てしまってました。
でもって、共感だけじゃなくて、クスッとさせられるワードを盛り込むタイミングも絶妙で。
あのオープニングタイトルが出るまで30分以上経っていた事に、本当に驚きましたよ(笑)
(毎回20分過ぎまでがアバンになりがちな某枠よりも長いんですよ!びっくり!!w)
話の引き出しの多さや語彙力の豊富さは、
やっぱり、芸人を本業としているからこそだな…と思わされますね。
そして、「全体の楽しさ」は、
ただ「共感出来る」「面白い」だけでは終わらない、会話劇を使っての伏線回収。
伏線回収と言いながら、伏線が張れていなかったり、
過去の栄光を掘り起こしてきただけだったり…な作品がここ最近は多かったので、
感想を書く際は、あえてその言葉を使わないようにしていたのですが、
本作に関しては、そう言ってしまって良いと思います。
何気ない会話の節々が、麻美(安藤サクラ)が徳を積む上での”ヒント”になっていたなんて、
良い意味で裏切られましたから(笑)
これ…普通に楽しめるのはもちろんですが、
考察好きの視聴者なら、初回の会話劇を何度も見返してメモを取る方も恐らく出てくる訳で、
トレンドを取り入れつつも、それを強く感じさせない・売りにしない
新しい形のドラマとしても成功しているんじゃないでしょうか。
話の展開の仕方も、後半30分は
保育園児の麻美を演じる子役・永尾柚乃さんの演技と
安藤サクラさんのモノローグを中心に見せていくという、中々挑戦的な作りに。
子役のこの表情には、喋りにどんな抑揚をつけていったら良いのか…
どうやったら人生2周目だからこその”どす黒さ”が際立つのか…を延々とやるんですから、
もはや「アテレコ」みたいなもんですよね。
でも、しっかり面白いし、
お互い息が合っているように見えるのが、さすが役者さんだなぁ…と。
テンポ感も良ければ話し方も心地良く、安藤サクラさんがいかにコメディエンヌかも
思い知らされました。
次回はもう成人まで進んでいるって事は…
やっぱり、オオアリクイを回避するために3周目も4周目もするんでしょうかね?
日曜のこの枠は時間が遅めで、ミステリー作品やサスペンス作品が多いのもあってか
あんまり集中出来なくて、録画に回す事が多いんですが、
今回は久々にリアルタイム視聴となりそうです。
なぜなら…肩の力を抜いて楽しめる上に、感想を書くと決めたから!!
…という訳で、こちらの感想執筆は確定です。
最後に超余談ですが…「タイムリープもの」と書いている時に、
ちょうど5年前のこの時期も、
それを取り扱った作品「トドメの接吻」を放送していた事を思い出しました(笑)
Source: りんころのひとりごと。
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