やけに掘り下げるな…展開が遅いな…と思っていたら、やっぱり前後編でしたね。
本作は昭和初期が舞台という事で、小道具や着物、セットなどコストがかかるでしょうし。
特に今回の場合は異質さを際立たせるために、数々の人形を揃えたり、
人形のような格好をした品子(片岡凛)でいかにミステリアスな印象を与えるかで
フィッティングにもかなりの時間を要しているでしょうから、
その緻密な世界観作りに合わせて、前後編でお届けしようという事なのかもしれません。
でも、前後編だと大体は間延びを感じてしまうものですが、
本作の場合は特にそれがなかったですね。
世界観ももちろんなんですが…演出が一番大きいんだと思います。
今回の演出家は「ラジエーションハウス」「元彼の遺言状」の鈴木雅之さん。
前半に出てきたモノクロ調の回想で、殺鼠剤入りの食事を食べたらしい人形(人間?)が
倒れていた様子を中心軸にして真上から撮るシーンの時点で、もろ分かりやすかったです。
そう…鈴木さんの演出って、食べ物の撮り方が独特なんですよね。複数の人物の映し方も。
何度もそのカットが挟み込まれるので、個人的には「どう?変わってるでしょう?」と
言われているようで、ちょっと鬱陶しいなと今までは思っていて(すみません)、
比較的苦手な演出家ではあったんですけど…
今回に至っては、鈴木さんらしいシンメトリーな構図が
横溝正史風の話とマッチしていて、不気味さや奇妙さを引き立てていて
まるで2人が異世界に入り込んだ気分にもさせられたのです。
西谷弘さんとも、永山耕三さんともまた違う画作りです。
原作実写化作品で、題材に合わせて演出家の個性をしっかり活かそうとしているのだという
制作陣の意思も感じさせました。
そして、人形屋敷という事で、オカルトの雰囲気を漂わせているので、
下手したら今期放送中の「全領域異常解決室」の案件に思えなくもありません。
…しかし、本作”らしさ”は忘れず。
鹿乃子(松本穂香)が品子を思わず自分と重ねてしまう人情深さや、
肩入れしかけた所で初めて嘘の声が聞こえた動揺。
品子のついた嘘をきっかけに、左右馬(鈴鹿央士)と一緒に
何が「良い嘘」で何が「悪い嘘」なのかの定義を語り合うシーンと、
本作でしか書けない要素も練り込まれていたと思います。
来週に続く話なので、私が書ける感想はここまででしょうか。
いつもなら頻りに嘘の音が鳴る分、今回はあの一言が来るまで全然鳴らなかったので
全容や品子自身が中々掴みづらいですね。
とりあえず、備忘録がわりに、気になった点を箇条書きにするなら…
・健康状態が原因で進まざるを得なくなった道に恨みがある様子のイネの兄
・柴田(佐戸井けん太)の去り際の言葉「今のお話以上に話す事もありませんので」
・品子は三つ子以上の子供か、多重人格か
で、品子の発言で判明しているのは…
・双子ではない
・薬入りの食べ物で倒れていたのは人形
・亡くなったイネ(松浦りょう)は人形を持ち出していた
・イネは事故か他殺の可能性がある
こんな感じでしょうか。
あとは結末次第…楽しみです。
(ただ、来週は外出しているので、感想は遅くなります(汗)一応お知らせ。)
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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