今回は「家を売る」メインエピソードの方は月下(福原遥)に任せ、
主人公の永瀬(山下智久)の方は、恋愛関係で色々と振り回されたり、
鵤(高橋克典)が登坂(草刈正雄)を恨むようになったきっかけを探ったりと
裏で動いていく…といった内容に。
月下の奮闘と、彼女を見守る永瀬の関係性を描いた45分間でした。
前回の感想では、コメディとシリアスの塩梅が良い件について触れましたが、
本作って全体の構成も中々工夫が感じられるんですよねぇ…。
取り扱うエピソードによって、メインで描かれる登場人物も変えていって、
どの脇役も1人ずつ存在感や爪痕を残すようなドラマ作りが出来ているというのか。
それは役者さんの技量の高さも勿論あるかもしれませんが、
影が薄いと感じる人が基本おらず、最初は悪そうに見えても
最終的にどの人にも愛着が湧いてしまうのは、
主人公が見せ場をしっかり残す場面と、脇役が活躍する場面のバランスが
とれているからなんじゃないかと思っています。
ほら…主人公が出ずっぱりのドラマだと、キャラクターの相性が合わなければ
視聴していてキツいと感じるケースも出てきますし、
下手したら「いかにヒーローに見せるか」だけにこだわった
主人公上げ周り下げの作品になってしまうケースもありますから…(汗)
そう考えると、相手の仕事観や、過去があっての人となりを尊重してくれる描写が多いのも
また温かな雰囲気が伝わってきて見やすいんです。
永瀬は今回家は売らなかったものの、月下の頑張りをそばで見ている目線や、
たまに見せる微かに苦い表情が、感情移入してくれているようでとても優しくて。
月下がミネルヴァ不動産の陰謀ばかりを気にする理由には、
「あんな素敵な出会いをした夫婦に、富士山が見える家を絶対に紹介したい」という
常日頃心がけているカスタマーファーストから来る想いや焦りが隠されていた。
それを理解しているからこそ、気持ちを汲み取ってあげたい…
でも”先輩”だけあって、花澤(倉科カナ)が
なぜそこの物件にしたのかは自分でも分かっていた…。
この2つの葛藤が、お客様に話を持ちかけるまでの間に
顔に滲み出ていた所に、”営業の先輩”…
いや、理不尽さをいっぱい経験してきた”人生の先輩”らしさを感じさせました。
だから、「月下は月下のやり方がある」と励ましてくれたのにもほっこり。
鵤の方は…登坂に執着する理由は明かされたものの、
何だか腑に落ちないのは私だけですかね(笑)
ストレートに、大好きな父が(事実上)殺された事を恨んでいるなら分かるんですけど、
自分が殺そうとしていた父を先に殺されたから恨んでいるって、逆恨みも良い所でしょう。
拾われた当時はまだ子供。血の繋がった両親もいないから、そこに縋るしかない訳で。
虐待されたとしても父親である事には変わらず、
離れたいけど離れられない、好きでいたいという依存心の方が勝ってしまいそうな
気がするもんですが…もうこの話は発展しないんでしょうか。
花澤の人間らしい別の顔も明かされ、唯一の悪役は鵤になった段階で次回が最終回。
終わるの早いわ…と思っていたら、
なんと、再来週には「正直不動産 感謝祭」という名の特別放送をやるそうで!!
月9にはあっても(それはほぼ総集編だけど)、
NHKがこの手の特番を制作するのは珍しいですね。
まぁ…本当に今期の中で一番面白いものなぁ。
撮影の裏話を聞くのも好きなので、そちらも楽しみです♪
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
コメント