優(高橋文哉)も釈放されて、事件もひとまず解決(?)して第2章突入…って事なのかな。
今回は最終回に向けての準備みたいなもので、
「嵐の前の静けさ」と言ってしまえばそれまでなんですが…
梨央(吉高由里子)のパートの方は、3人での幸せな同居生活の日々やら、
優が治験を受けるのか気にする様子やらと
サスペンスからはかけ離れた”日常”ばかり描かれていたために、
終盤でしおり(田中みな実)の過去に触れるまでは
ほぼ内容がないに等しい仕上がりになっていたのが気になりました。
そして、これまでとは異質な印象を受けたのは、ある意味本作の”縦軸”ともなっている
「真田グループの不正疑惑」を追求するくだりが前面に押し出されたのもそう。
現時点では、梨央はその不正に関わっていないだろうと予想されます。
だから、特に関連性のなさそうな主人公で見せ場を作るには、大輝(松下洸平)を絡めて
ラブストーリー仕立てでやるしかなくなった…って所なんでしょうね。
それが結果的に、主人公の動向と縦軸が分離してしまい、
1話の中で噛み合っていないように感じられた原因に繋がったんだと思います。
いや、2人は幼馴染みだし、「再会した時には刑事と重要参考人の関係になっていた」
初期設定がある以上、今回の内容が描かれても不思議ではないんですけど、
本作は一応「サスペンスラブストーリー」なので…
別ドラマを見ている感覚に陥ってしまった残念感がありました。
肝心のしおりと康介(朝井大智)の方は、やっぱり当時の被害者と加害者の関係性でしたね。
薬に盛られて意識が朦朧としていた時に、梨央に救いの手を差し伸べたのだけれども、
向こうは気づいてくれなかった事が真田家に執着するようになった”きっかけ”…。
確かに当時はあれが精一杯のサインで、心に傷を抱えたまま生きてきた
彼女の不条理さを思うと同情は出来るのですが、
だからと言って、それと社会的に成功した梨央を天秤にかけるのは逆恨みも良い所で、
最後まで梨央につきまとう理由には納得出来ませんでした。
むしろ憎むべきは康介なのに…先に死なれてしまって、
感情をぶつけるやり場がなかったって事なのでしょうか?
でも、そんな彼女もいきなり退場というラスト。
(最後の活躍なので本音を書いてしまうと、しおり自身の苦い人生を反映させるために
あの陰鬱とした台詞回しや無表情の演技だったのかな?とは思いますが。
新境地という感じで浮いている印象はそこまでなかったですが、
正直、市川○日子さん辺りの女優さんだともっとハマっていたのかも…って気もしたり。)
しかし、この段階で「しおりの不可解な死」という現在進行系の新たな謎を盛り込んだとなると、
15年前の事件は前々回と前回の真相が描かれて解決した事になったのかどうか、
自分の中でどう片付ければ良いのかよく分からなくなってしまいました。
前回の感想でも書きましたけど、真相には触れても”ゴール”までは描かれていないから
イマイチ終わった感じがしないのです。
最終章でこのモヤモヤを取り除いてくれると良いんですが、ここにきて新展開…
全10話だと想定すると、残り3話になりますよね?
う〜ん、謎を付けるだけ付け足して風呂敷を広げて、
収拾がつかない状態で終わらないかどうか、少し不安になってきました。
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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