コロナ禍の中での医療体制、3人に1人が65歳以上になる2025年、
統合再建、地域連携医療と…
1つずつじっくり取り上げられそうなエピソードを、よく2時間でまとめ上げたなぁ。
当時の首相の会見映像や新聞記事まで挿入して時代をしっかりと反映させているし、
逆にその手法をとると、現状を紹介するナレーションも含めて
「ドキュメンタリー」になってしまいそうなイメージがあるんですけど、
自ら親切病院の看護師長を買って出る兵藤(浅田美代子)の頼もしさだったり、
初めは経営する事に不安を抱えていた江口(稲葉友)が
いざ実行してみたらやり甲斐を感じていたり、
自分の中で何かスイッチが押されたような感覚があったり…と、
主人公に影響を受けた者たちが徐々に変化していく「ドラマ」部分も描かれているから面白い。
特に「そうきたか!」と思った所は、夏目と医療改革を渋る小柳(益岡徹)の絡め方。
トラブルメーカーって訳でもないし、なんで新キャラを用意したんだろう?
若者医者の成長と希望を描くための要員なのか?…と途中まで想像しながら見ていましたけど、
確かに、小柳を説得出来る人って言ったら、もう彼しかいませんもんね。
ベテランは歳や経歴を積み重ねれば積み重ねるほど、意固地な性格になりがち。
だから、いくら粘り強い有原が説得を続けても多分考えは変わらなかったでしょうし、
彼だけで話を続けていたら、最後はよくある人情で
都合良くまとまっていた可能性だってあったのかもしれません。
加藤シゲアキさんの落胆から来る”怒り”の演技が刺さりました。
個人的には、役者としての加藤さんは今まであんまりピンと来なかったんですが(すいません)、
「六畳間のピアノマン」やこの前の「三途の川アウトレットパーク」も含めて、
何か心に残り続けている想いを真っ直ぐ伝えるような役がハマる気がしました。
実は、本作が連続ドラマだった頃は、途中までは良かったものの、
終盤の方に近づいていくたび、有原のわがままな性格が周りに負担をかけている感じが強くて
ちょっとモヤってしまっていたんですよねぇ(苦笑)
(おまけに、最終回ではいきなりの「救世主登場」展開だったし…^^;)
しかし、今回でも劇中で「暴走特急」と言われていた通り、
割と無茶ぶりをかましていたけれども、
彼の意見にはちゃんと理屈が通っていて頷ける部分が多かったので、
今回は連ドラ前半のような良い印象を持ったまま見終える事が出来て安心しました。
最後の院内ライブのくだりは、いつかコロナが収まって自由に暮らせる日が来たら良いな…
っていう願いも込められているんでしょうね。
新たな医療のカタチの提案から、穏やかな日常のワンシーンまで、
様々な想いが詰まったメッセージ性の高いSPドラマでした。
…欲を言えば、連ドラでも見たかったけどね!
↓連続ドラマ(2020)の最終回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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