最終回の冒頭でよくある、今までの話をまとめた回想の時点で、
最初から山場だぞ!という作り手側の”本気(ガチさ)”を感じましたね…。
WANIMAの挿入歌「りんどう」の歌詞
流れるときの早さに 体を委ね 眺めてる
変わりのない 物語 引き返すことも出来ずに
(中略)この思いと引き換えに 目の前の扉をくぐって
生きて生きて生き抜いてやれ
に合わせて映し出されたのは、「普通の青春がしたい!」と思いっきり書き込んだ
桜の花びらの付箋を貼る所から始まった、高校生活に胸膨らむ”希望”の日々から、
不条理な出来事で警察に連行されてしまう”挫折”のラストまで。
でも、時系列に沿った単なる振り返りではなく、
前回のラストを合間に挟んで、初期から直近のエピソードと
割と前後を行き来する構成になっていた。
それは、「自分の送りたい青春を本気で送れたか?」「このまま終わって良いのか?」という
剛(間宮祥太朗)への”問いかけ”でもあったし、
誰1人欠ける事なく全員で高校生活3年間を送って、全員で卒業するために、
今ある目の前の壁に立ち向かっていくというクラスメイトみんなの”決意”でもあったし、
家族に嘘をつき続けながら青春を送る事に2年半葛藤を抱えながら生きてきた
剛の”人生そのもの”でもあって。
エピソードをバラバラに見せる事で、いろんな意味が込められているようで
初っ端から泣かされてしまいました…。
みんなが一丸となって校長に抗う展開は王道ではあったものの、
個人的に思い描いていたのとは少し違う結果になった最終回。
今までの時間経過の飛ばしっぷりを考慮すると、
ヤンキーだった自分にケリをつけ、
途中から卒業式での様子をガッツリ描いてくれるんじゃないかと
期待していた部分があったので、
そこまでは尺の都合で手をつけられなかった?という勿体なさは感じましたが。
でも、あくまでもヤンキーモノや学園モノといった括りに囚われず、
ひたすら「絆」「支えてくれる仲間たち(ファミリー)」の描写を貫き通した内容も、
それはそれで”らしい”ですし、気持ち良いなぁ…と。
家族が食卓に集まってから流れる主題歌のタイミングも、アリでしたね。
もう半年になってしまったけれども、家族全員に認められた今、
俺の高校生活はまだまだ終わらない!という、
輝かしい未来が期待出来る終わり方になっていた気がします。
以前の感想にも書いた通り、当初はてっきりコメディ色の強いドラマだと思い込んでいた分、
世間と同じくらいの熱量では見てはいませんでした。
が…回を重ねるごとに、泣かせるシーンでもそうでなくても
頻繁に涙腺に訴えかける頻度が増えるほど、愛着を持って見るようになったのは、
脚本の構成力はもちろん、間違いなく役者さんと役の親和性の高さにあると思っています。
神尾楓珠さんも森本慎太郎さんも、正直そこまで強く注目していなかったのに(こら…)、
本作のお陰で、中の人まで好きになりそうでしたもん。
モジモジゴリラは今後も忘れる事はないでしょう(笑)
月並みな表現ですけど、この方と言ったらこの役!というイメージが
しばらくこびりつきそうなほどハマリ役でした。
先ほど「〜も見たかった」旨の感想を書いたのも、本作の登場人物があまりにも魅力的で、
時間が経過していくにつれて、それぞれの成長や葛藤をじっくり感じ取りたかったから…
っていうのもあるのかもしれませんね。
新枠となった水10枠の第1作目で、どうなるかと思った本作。
裏被りして、裏も同じように元気をもらえる系の作品だったらしく
視聴率が中々苦戦していた印象はあったものの、
SNSではトレンド入りが多いほど好評で、良いスタートを切れたんじゃないかと思います。
まぁ、わざわざ似たようなジャンルを水10枠に被せてくる辺り、
5年前の夏クール(6作品目)をもって短命で終わった日9枠と
同じ悪夢が襲ってきそう…っていう不安は今でもあるんですけども(苦笑)
でも、私としては日テレの水10ドラマは合わない事が多いので、
時間をズラしてでも生き延びて欲しいんですよね…。
勧善懲悪が主流だった昔ながらの人情時代劇を、
「自分は自分らしく生きる」「多様性を受け入れる社会」といった
現代ならではのメッセージが内包されたドラマに取り入れ、
血まみれの暴力シーンや残酷なシーンがコンプライアンス的に使えない代わりに、
笑いと感動のメリハリを、個性的な登場人物を通して見せてくれた。
このご時世なのもあって、ひたすら純粋で正義感に燃える人物で紡がれる物語に
釘付けになる視聴者も多かったと思いますし、
昭和の良さと令和の良さを上手く融合出来ていたからこそ、
反響も大きかったんじゃないでしょうか。
その反響のお陰で…来週は松が主役となった?特別編の放送が決定ですね。
松不足だったので嬉しい♪
美大に入れたのかどうかにも言及してくれると良いですが…
卒業式スペシャルの放送もぜひぜひ夜露死苦です!!
↓前回の感想はこちら↓
↓今までの感想はこちら↓
2022年春ドラマ-ナンバMG5 カテゴリーの記事一覧 – りんころのひとりごと。
Source: りんころのひとりごと。
コメント