ミステリと言う勿れ 10話 感想|儚く美しい別れ

ドラマ

 

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final episodeとうたっていた事から、今回含めた残り3話で

原作の長編エピソードをじっくり描いていくのかと思いきや、

事件パートをサクッと解決させ、ライカ門脇麦)との親睦や別れに丸々1話分割くという

ある意味”番外編”的な作りになっていたのには意表を突かれましたが。

次回以降ようやく我路(永山瑛太)の件に触れるとなると、

いろんなエピソードが入り乱れて複雑になる前に1つの物事にピリオドを打ち、

クライマックスに集中させるように整理整頓した…と考えれば、

良い判断だったのかもしれません。

いや…あれこれ前置きを並べ立ててみたものの、

神秘的なラブロマンスにうっとり魅入ってしまった…というのが素直な感想でしょうか。

 

前々から本作だけにかかわらず、いろんな作品の感想でも、

恋愛要素を前面に押し出して盛り上げる展開は、

本作の持ち味が失われがちで苦手だといった旨の言及をしてきました。

でも、そんな私が、今回の恋愛色の強い内容を

(後述する一部を除いて)なぜ受け入れられたのか?

それは、ライカが登場し、整(菅田将暉)の目の前に現れてからの今までの内容そのものを、

今回で種明かしする”ミステリー”として

意味を持たせるように紡いできた構成が大きいんだと思っています。

つまり、何が言いたいかって言うと、

今回の話は”ラブロマンス”メインに見せかけて”ミステリー”の顔も持ち合わせているんです。

 

イカにまつわる今までの断片的なエピソード・描写を

まるでパズルのように1つずつはめて行き、

最終的に、彼女の繊細で儚い存在を1つの人格として浮かび上がらせる。

そして、ラストの魅せ方も素晴らしく…ライカの正体が判明し、事件も解決し、

2人が”あの”いつもの木の下へと走って、同じ時間を同じ場所で共にする一連のシーンが、

周りの仄かな照明と夜の風景のコントラストも相まって

映画を見ている感覚にも陥ってしまいました。

 

幼少期、喜和(水川あさみ)から考える知恵を学び、

現在の姿を形作るきっかけを与えてくれたように、

自身の傷を「整くんの痛みも代わってあげられたら良かったな」と

言ってくれる存在に出会う事で、誰かと何かを共有する多幸感も知った整。

ここ最近の主題歌と物語のシンクロ具合も上手くハマっていて、

今回の場合は、そう言ってもらえて”心の傷”が和らいだ気がした心境と、

同時にお別れが刻々と近づいている寂しい心境で揺れ動く

整の心理描写をもろに表している感じがして良くて。

天達(鈴木浩介)の言葉も含めて、この余韻に包まれたまま終わりたかった、んですが…

 

後述すると書いた内容が、今回の話を見た多くの視聴者ならお気づきかと思いますが…

作り手側はどうしても、風呂光(伊藤沙莉)の出番を作らないと気が済まないんでしょうね。

そこだけが若干のマイナスポイントでした。

ソメイヨシノのクローンのお話は興味深かったです。

ただ、別に彼女がその話の聞き相手じゃなくても、物語としては成立出来たはずです。

逆に、仕事よりも整への恋心で頭がいっぱいになっている

“典型的なドジっ子女子”の彼女が現れる事で、

ベタで一昔前の月9の雰囲気にガラッと変わってしまうんですよねぇ…。

(個人的には、前回の描かれ方に、風呂光というキャラ”そのもの”に嫌悪感を覚えてしまってね…)

例えば、病院の温室管理者の梅津(阿南敦子)もいるんですから、

彼女が「今年も綺麗に咲いたわねぇ」と一言言って近づき、

一緒に見ている流れで整からその話題を持ちかける流れにするとか。

あるいは、ライカとの思い出を噛み締める時間=無音の演出を活かすとするなら、

クローンであるソメイヨシノにライカを重ねて、

彼女を想いながら1人でじっくり味わうシーンにしてみた方が、

今回の不思議で切ない世界観が保たれていたのかもしれません。

 

でも、今回の話は、まさしくお別れシーズンである今の時期も相まって、

とても印象に残るお話でした。

一部はなかった事にしておきます(苦笑)

 

で…噂ベースによると、続編の放送も決まっているようですが。

それよりも、我路の件を劇場版まで引っ張らずに進めてくれる事が

私としては嬉しい限りですね。

 

↓前回の感想はこちら↓

 

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Source: りんころのひとりごと。

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