見方が分かってきた感じかなぁ…。
前回で言及があった「恋愛には興味はないが、1人でいるのは寂しい」が
まさしく軸となっている物語。
家族や友達との単なるルームシェアではなく、
お互いがアロマンティック・アセクシュアルの人間であると認識した上で、
果たして、家族…いや、”味方”のような心地良い関係が作れるのか?を
実験的に描く作品なのかもしれませんね。
その上で、照らし合わせて描かれるのは
「男性との付き合いには恋が芽生える」を前提とした人間関係なんでしょう。
例えば、今回の場合は、両親と妹夫婦とのやり取りが描かれました。
前回はアロマアセクじゃなくても嫌悪感を覚えるような人物設定で不自然さがありましたが、
今回に関しては無理がなかったです。
妹の旦那は余計な口を挟み過ぎ感は否めませんが…
中々恋人が出来ないまま長年実家に暮らして居る姉を心配していた妹、
特に両親に至っては、長年手をかけて面倒を見てきた経験があるからか
「娘の事は分かっている”つもり”」でいる事を考慮すれば、
自分の出来事かのように喜んで、2人を囃し立てるのも頷けるんです。
それに、最初は付き合っている設定で通していたのが、急に嘘だとバラされて
(世間にとっては)訳の分からないカタカナ用語を並べ立てられたら、
混乱して思いがけない言葉を吐いてしまうのかもしれません。
そして、この一連の様子を見て気づかされたのは、
この両親や妹夫婦のように、私たちの周りにも、
現実生活で気持ちを思いっきり口にしていないだけで
同じ価値観の人が身近にいるんじゃないか…という事。
実際に、本作ほどではないですが、両親からは「孫が欲しいな〜」なんて
冗談っぽく言われた事はありました(結婚願望は一応あるので、私は嫌ではありませんが)。
今の世代ならまだしも、親世代なら子供の幸せ=結婚を願うのが
必然とも言えるんでしょうね。
この実体験も加えて、「人のふり見て我がふり直せ」じゃないですが、
周りにはこんな風に感じている人がいて、こんな考えの人がいるのだ…という事を
俯瞰的に見て初めて考えさせられる面白さ(と例えるのも何ですが…)もあった気がします。
また、頭の中がぐしゃぐしゃになって、どうしようもなくなっているのが伝わる
岸井ゆきのさんの怒りの演技や、
冷静でいるようで、口を開けば徐々に闇を覗かせていく高橋一生さんの演技のお影もあって、
“自分たちと世間の認識のズレ”によるショックを追体験させられる点では、
視聴後に大きな余韻が残りました…。
最後に登場した新たな勘違い男も含めて、まだ気がかりな部分はあるにはあるんですが、
いろんな価値観を持つ人々を絡める事によって
現在における”夫婦”の在り方への問題提起をする意図も込めているんじゃないかなぁと。
そして、昨今のドラマではお馴染みと言えるであろう、
あえて”恋愛感情を育む過程の1つ”である同棲を2人にさせる展開で、
「愛するとは?」を愛”抜き”で描こうとしているようにも見えます。
同じアロマアセクでも、アンケートの結果で
また考えの違いが浮き彫りになりそうで…
結末よりかは”結末に至るまでの紆余曲折”に興味がある私としては
次回を早く見たい気持ちが高まりました。
それに、2話の段階で、物語の核心となる両親との対立エピソードを持ってくる辺り、
意外性もあって目が離せませんね。
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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