あれだけ引っ張った割に、圭吾(柊木陽太)…最後にはあっという間に元気になってましたね。
本来30分拡大で想定していたのが、急遽予定が変更になって
通常時間内に収めなければならなくなった結果、急いで巻きが入った感が凄い。
手術から回復までの間がなさ過ぎて、一瞬、もしもの世界かと思えてしまいましたよ…(汗)
っていうか、そこまでやるんだったら、
どうせなら優里(稲垣来泉)と教会で再会するシーンを盛り込んでも良かったような。
あえてそういった”ゴール”を設けなかったのは、
続編を作りたいから…という意図もあるんでしょうけども、
それにしても、消化不良で終わってしまった気がします。
「今期ナンバーワン!」「命の尊さや医者の葛藤を丁寧に描いた秀作だった」といった
絶賛コメントが多く散見された本作ですが、
個人的には、最後まで評価をするのが難しく思える作品でした。
…今までの感想を読んで下さった方なら分かっていただけるかと思いますが、
決して微妙って訳ではなく、基本、好意的には見ていたのです。
同じ「医療ドラマ」でも、スーパードクターが活躍する物語よりも
医者の等身大な部分を描く物語の方が好きですし、
微妙な印象の方が強いのなら、こうして感想を書き続ける事もなかったですからね。
でも…秀作と言いたくても言い切れなかったのは、
登場人物の多さと、設定の整理整頓不足…この2点が原因だったと考えています。
前回の感想でも書いた通り、最初から4人の青春群像劇として本作を描けば、
何を主体とした物語なのか曖昧に映る事もなかったんじゃないでしょうか。
そうすれば、最終回あるあるの大規模災害エピソードも、
結果的に植野(安田顕)を残留させるため”だけ”に用意されたものには
見えなかったのかもしれませんし、
「子供に向き合う姿を描くドラマでどうしても盛り込む必要があるの?」という
あざとさも感じさせなかったのかもしれません。
綿貫(木村文乃)の裁判の件もすっかり忘れているくらいで…
渡辺(野間口徹)が急に改心していたり、
裁判の結果が台詞でさらっと済まされたりしていた辺り、
渡辺のPICUを巡る陰謀論も、綿貫と渡辺の因縁の関係も、
なくても成立出来る話ではありましたよね。
放送してから約24分後の、1台のスマホに各々の食べている姿が4分割で映される形で
「みんな闘っている」を静かに表した演出が印象的だった分、
あんな風に”絆”や”もがき”の表現に工夫を凝らせるのならなぜ…とも思えてしまったのでした。
他のドラマにも触れちゃいますが…
本作だけに留まらず、「ザ・トラベルナース」や「祈りのカルテ」も同じで、
今期の医療ドラマはどれも欲張った結果、本末転倒で終わってしまったような気がします。
前者は本作と同様、描くべき登場人物を増やし、
主役ではない静の存在感と凄味を強調し過ぎたが故に、
主人公の成長ぶりにイマイチ実感が湧かず、
当初にはあったコンビでの痛快劇も薄まってしまった。
で…後者は、研修医ドラマならではの青臭さや未熟さ、親子での心温まる物語が
本来の「カルテから謎を読み解く」というコンセプトを食ってしまったのかなぁと。
何を1番の見所にしたいか?を設定する。
厳しい事を書いてしまいますが…医療ドラマだけでなく、
最近のドラマはそれが出来ていない作品が多いように思うんです。
本作だって、初期設定さえ定まっていれば全然印象が違っていたんですけどね…
う〜ん…登場人物は好きだっただけに、残念感が残りますね…(泣)
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
コメント