うーん…今回は、いろいろと気になる部分がありますねぇ。
人物描写的にも、ストーリー的にも。
まずは、大場(内田有紀)の描写について。
前回の感想でも、好意的に応援するようになるほどキャラ変した事について触れたんですが、
今回ではボクシング部に対する考えそのものが変わっている気がしてならないんですよね。
確か今までは、ボクシングを「頭を悪くするスポーツ」とみなしていて、
日本一の進学校にするために注力している彼女からしたら”邪魔”でしかなかったはず。
なのに、インターハイで全滅だったのを受けての彼女の発言は…
「ライバル校に負けたから桐沢をクビにする」「今のままでは3年経っても絶対勝てない」と、
あたかもボクシング部の成長に期待しているかのような台詞が続く所に疑問符が…。
次の章で描くべき事柄を進めるために確執パートは完結させたとは言っても、
今までの描写が描写なので、最低限の心境の変化は盛り込んでも良かったと思うのです。
そして、新入部員の西条(村上虹郎)が部活に馴染んでいくくだりと、
1年生の江戸川(櫻井海音)が失踪したくだりを同時進行させた内容について。
次回予告を見ると西条が何やら問題児っぽそうで、
全く違う環境で生活する事でどんな”学び”と”気づき”を得るのか。
そして、彼とは真反対である、直向きで真面目な人たちの集まりの部員たちと
どんな対立が起こって、どんな過程で関係性が深まっていくのか…が
描かれる事を期待していたんですが、
(西条を気に入らない様子は少し描かれていたものの)
自分の実力の高さを鼻に掛け、周りを見下しがちな新入部員が部員と関わる事で出てくる
面白味であるはずの”衝突”が、甲斐(安田顕)の一人芝居で全て片付けられてしまったのは残念…。
いや、その時の安田顕さんの芸達者ぶりもとても面白いものではあったんですけど、
夢に向かう者たちならではの青臭さを活かした”スポ根”をテーマにした作品ならば、
極端に言えば、胸ぐらを掴んで言い合うなどするシーンはやっぱり見てみたかったですし、
逆に暑苦しい要素をなくしたお陰で、「あれ?なんかもう仲良くなってる?」という
あっさり感を覚えてしまったのは否めなかったんですよね。
だって、「えこひいき」って言ってたくらいなのに…。
江戸川のエピソードを盛り込んだのが一番の原因で、
ここも結局、家出して半グレ集団に絡まれるようになった動機や
事件解決した後の半グレ集団の対処に一切言及がないまま中途半端に終わったのを見ると、
西条のエピソードとは2話分で分けて描いた方が
設定をしっかり詰め込めたんじゃないかと思います。
まぁ、前者に関しては、「強くなりたい」と泣きながら訴えた後だから、
桐沢(木村拓哉)がコーチを辞めた事にショックを受けて
ヤケになったのを狙われたとは脳内補完出来そうですが…
後者に関しては、納得いかない彼らが桐沢のバイト先に
クレームを入れてもおかしくありませんからね(汗)
桐沢の活躍で江戸川はもう狙われないのかも気になる所ですし…
事が大きかっただけに、あまりにも収束がふわっとし過ぎでした。
ご本人も事務所も回想でのご出演だけでは勿体ないと思ったのか、
史織(波瑠)と瓜二つの女性と偶然会うという、いかにもドラマらしい展開までやるとは。
学校が舞台だから学生の恋は受け入れられても、
桐沢の恋模様が絡むとなると、本作のコンセプトからはズレてきそうな予感がしています。
スポ根をストイックに描くだけでは盛り上がらないから
恋愛も入れてみよう…というのが製作陣の意向なのでしょうか…。
こちらの方は本筋を食わない程度での描写をお願いしたいです。
役者さんの演技力の高さもあって、部員たちの成長や、徐々に活気が満ち溢れていく様子が
丁寧に紡がれているのが好きなのでね。
ここまでツッコんでばかりの感想になってしまったので、
最後に、見ていて微笑ましくなったお気に入りのやり取りについて1つだけ。
桐沢と圭太(川原瑛都)コンビ、癒されますよね…。
圭太の練習に付き添う時に出た桐沢の「ふははっ」っていう笑いが
木村拓哉さんが素で笑っているようで、
個人的には、いつもはそんなに笑わないイメージがあるだけに新鮮に映りましたし。
あとは何と言っても、遊具に座って圭太の身長と同じ座高になった桐沢が
彼の目線に立ってトレーニングをするシーンなんかはほっこりさせられました。
1つだけ…と言いつつ(笑)序盤でコーチも講師もクビになり、学校を出る時の
憤りやら悔しさやら、いろんな感情が滲み出ている木村さんも良かったです。
やっぱり、「おじさん」「おじちゃん」みたいな
ちょっと廃れた佇まいの方が、私には刺さるんですよねぇ。
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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