想像していたよりも遥かに見やすくて、驚きました。
原作はあるし、関わったスタッフは一部しかいないとは言え、
「あなたの番です」で味をしめた某プロデューサーが手がけた「漂着者」から
そんなに期間を空けないうちに似通った作品を放送すると知り、
また登場人物で露骨に怪しい雰囲気を匂わせたり、
謎を追加するだけで最終回まで引っ張り続けたり、
SNSで考察させるのが第一の狙いの仕上がりになるんじゃないかな…と
いろいろ身構えていたのですが。
(劇伴の担当者が同じ事でも)「最愛」を彷彿とさせる哀愁を
うっすらと漂わせた作りになっていたのが、”何匹目のドジョウ狙い”のイメージを払拭させ、
功を奏したのかもしれませんね。
個人的に本作に好感を持てたのは、1話内で回収出来そうな謎を変に引っ張らずに
ちゃんと回収してきた事。
小さい事かもしれませんが…意図的に複雑化させる手法続きに辟易していた私にとっては
大分印象が違うのです(笑)
最近この手の作品でやりがちな 視覚的な面白さを優先させる方向に走るのではなく、
話の紡ぎ方に意外性を残し、視聴者を惹きつけるように作られているなぁと。
でもって、サクサク展開されていくかのように見せて、
どこか煮え切らない”しこり”もしっかり残す…
この塩梅が心地良くて、結末がどうなってしまうのかと興味が湧きました。
何かにかこつけては謝罪させる女性キャラの単細胞っぷりには
少しツッコミどころもありましたがw
関係に亀裂が走り始めるまでの過程も丁寧で。
「中学時代のいつメンと同窓会で久しぶりに再会」という設定のお陰か、
“あの頃の思い出”を否定したくない、いつまでも大事にしておきたいが故に
友達を裏切るのをためらう望緒(波瑠)の優柔不断さとか、
当時は楽しい環境だけに浸っていたくて潜在的に隠し続けていたモヤモヤとか、
同じ位置にいた同級生だと思い込んでいたはずが、
大人になってみんな違う道を歩み始めたら
格差を実感してしまった事に対する嫉妬心や恨みだとか…
基本的にそんな“日常あるある”から来る心理描写が多く、
それぞれが行動を起こす動機に説得力が感じられたのも良かったです。
登場人物の人数も多過ぎず少な過ぎず…で、覚えるにはちょうど良し。
本人のイメージと役柄が結びつきやすいのはもちろん、
中学時代の回想や個人の訳ありな生活と同時に紹介されていくので
ややこしさがありません。
そして、雄大な自然に囲まれたロケーションから滲み出る
「これからサスペンスが始まる」ワクワク感や、
ほのかなドロドロ感も含めてどこもバランス良く、
陰湿なキャラがいるにもかかわらず不快感だけが強く残る事がなかったのは、
余韻を残す間もなく進んで行く物語のテンポが程良かったからなのかな?という気がします。
という訳で、愛憎劇やラブサスペンスに食傷気味だった私も興味深く見られました。
実は感想は初回のみにするつもりでしたが、思いの外次回を見たい気持ちにさせられたので、
もう少し書き続けようかと思っています。
(しかし、私のキャパの問題もあるので…あくまでも”予定”です(謝)
他のドラマと照らし合わせながら考えます。)
Source: りんころのひとりごと。
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