特に期待はしていなかったSPドラマ。
予告映像の時点で、昔の時代を扱っている割には軽そうに見えたし、
いざ視聴してからも劇伴やテンポがどことなく呑気で、
第二次世界大戦中なのに緊迫感が感じられないんだけど、これで大丈夫なの…?
やっぱり裏のキントリに替えておけば良かったかなぁ…などと思いもしたんですが。
中々どうして、見ていくうちにこの軽さがやみつきになってしまいました。
日本人とイタリア人3人のやり取りと、そこから生まれる台詞遊びがひたすら楽しかったなぁ。
「お前ら死んだのか」「(メタ的な意味で)日本語急に上手くなりましたね」
「礼を言う」「ごちそうさまです」「俺もアベだ」「こんな顔阿部ではない」
物語自体に派手さはなくとも、ついついクスッとしてしまうシーンがたくさん。
どうしても踏み込まなければならない部分を除けば
戦争を描く作品ならではの悲愴感は終始漂っていなくて、
みんな生き残って、体も丈夫で、プロポーズも出来て…という
珍しく綺麗なハッピーエンドで終わった訳ですが。
「人生は食べて歌って恋をするためにある」と言っていたように、
戦時下の日常生活でのささやかな幸せ、
この先もずっと大事にしておきたい幸せをメインで描きたかったから
あえて重くしないようにしたんだろうという意図は
物語を最初から見ていれば伝わってきたので、私はこれはこれでアリだと思えました。
外国人への差別、日本とイタリアの格差の描写もちゃんと取り入れていましたしね。
賛否両論は生まれようが、軽い”だけ”の作品ではない事は確かでしょう。
ただ、構想25年って本当なの…?と言いたくなるくらいには
トンチキっぷりは目立ってましたけど(笑)
ほら…港から船上を見た時の人と景色の合成感(人の輪郭がぼやけてたようなw)とか…
深海のシーンでの少々安っぽいCGとか…
ボートレースや喧嘩のシーンでなぜかオペラ音楽が流れるとか……
「クスッとしてしまう」「やみつきになる」と書いたのは
こういう所も含まれていたりするのかもw
まぁでも、アベ、シモネ、アンジュの3人の陽気さから来るボケと、
速水(二宮和也)の的確なツッコミのコンビネーションが心地良くて。
可愛らしい早季子(有村架純)も含めて、
いつまでもこの関係性が続くと良いな…と願いたくなる仕上がりで良かったです。
「香苗〜♪」の歌は今でも頭で流れておりますw
終盤で仏壇に3人が映った写真が置かれていたカットがあったから、
てっきり可笑しかったはずのあのシーンが本当に伏線として使われてしまったのか…
そんな…(泣)と一瞬悲しくなるくらいには、キャラに愛着が湧く作品でもありました。
Source: りんころのひとりごと。
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