ばらかもん 11話(最終回) 感想|"ともに"生きていくんだね。

ドラマ

 

 

なる(宮崎莉里沙)はやっと「お父さん」と呼べたけれども、

正式に”親子”の関係になってからは

父・優一郎(岡田義徳)とは再会出来ないままでしたし、

美和(豊嶋花)もお酒や経営の勉強をするシーンはなし。

そして、調理師を目指しに東京へ行った浩志(綱啓永)もまだまだ駆け出しの状態で…と、

それぞれの未来を描き切らないまま終わった最終回。

最後だからと何年後の世界もガッツリ描かない所が、

島ならではの伸びやかさも感じられつつ、余韻が残っていて良かったです。

 

もしかしたら続編があるのでは?って期待するよりかは、

このドラマの世界で生きる人々の日常は、私たちの見えない所でも

今後ずっとずーっと続いていくんだろうなぁ…と想像出来る、

そんな内容に仕上がっていました。

 

ただ1つ惜しい所を挙げるとするなら、

「田舎は温かい」「田舎の人は優しい」といった先入観を持つYouTuberが

清舟(杉野遥亮)との関わりを通して変わっていく前半のエピソードは、

別に最終回に持ってこなくても…とは思いましたね。

「先入観の払拭」を描いた前半と、「離れていても繋がっている」を共通項に

清舟と清明遠藤憲一)、なると優一郎、美和と巌(宍戸開)の

3組の親子の強固な関係性を描いた後半のエピソードはテーマが違い過ぎて、

個人的には、同じ1話内での話なのに全然噛み合っていない印象を受けたのです。

実際、CMが明けてからYouTuberはしれっといなくなっちゃってましたし(笑)

清舟が島の人として認められる回は以前にありましたし、

YouTuberと対になるようにして描かれた、郷長(飯尾和樹)の

“田舎の人だから”優しいって訳じゃなく、

1つ1つの行動にもちゃんと理由があるのだととれる発言はタメになっただけに、

清舟と、過去の自分を彷彿とさせる彼らの交流は

丸々1話分で見たかった気がします。

 

本作、「今回の話はこの段階で描かない方が…」とか

「単独の話でも行けたんじゃ…」とかっていうツッコミはもちろん、

物語の終盤辺りでは島と東京を何度も行き来していて。

全体構成において、気になる部分がちょいちょい見受けられたのは勿体なかったですね。

 

でも、そこを含めても、好きな作品として記憶に残り続けると思います。

島が舞台で、書道が取り入れられていて、ハートフルで、主人公の成長物語で…って

私の好みの要素が全部詰まっている時点で間違いなし!ではあったんですけど、

明確な答えのない芸術の世界で「自分らしさ」を模索していく姿を

コツコツと描いている所に心動かされる作品でした。

分野も次元も違いますが…私もこうしてドラマ感想ブロガーをやっている身で、

誰かの素晴らしい感想を読んだ時に、自分の語彙力と文章力のなさに落ち込んだり、

感受性豊かな人が時々羨ましく思えたり、

プレッシャーに押し潰されて、どうやって言葉に起こせば良いのか分からなくなったりする事が

何度も、今もあります。

だからこそ、「俺は父さんみたいにはなれない」

「島にいるからこの作品が書けた」と言いながら

繊細な一面を見せる様子には強く共感させられましたし、

成功と挫折を繰り返した結果、書道教室を開くという新たな夢を見つける清舟の成長には

元気づけられた気がして、どことなく自分と重ねながら見てしまってました。

 

また内容の方に戻って…清舟が最後に書いた字は、初回と同じ「楽」。

初回では1人で書いていたのが、最終回ではなるを初めとした子供たちにも

サポートしてもらいながら書いている辺りに、

島に来てからの清舟の変化と「こんな書道家でありたい」という決心を感じさせましたね。

道教室の先生になって以降は、”書道家“として書に向き合う事から遠ざかっていた彼が

久しぶりに書いた字が「楽」っていうのが良いなぁと。

今後また壁にぶち当たる時が来たとしても、みんなで作り上げた「楽」の思い出があれば

きっとまた乗り越えられるだろう…そう思わせてくれるだけでなく、

ラストでは、もう1つ初回の象徴的なシーンだった夕陽を重ねて、

なるとこれからも共に生きていく事が示されていて、希望の持てる締めだったと思います。

 

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Source: りんころのひとりごと。

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