あれこれツッコんで来たものの、それでも見続けてみようか…と思えたのは、
1話の終盤のラーメン屋での衛(江口のりこ)と優(赤楚衛二)のこのやりとりだったんですよね。
衛「36にもなって初めてお金の事で悩むなんて恥ずかしいわ。
こんな事になるんやったら、金持ちの家に生まれんかったら良かった。」
優「それは違います。お金持ちの家に生まれたから36年もお金に悩まずに済んだんです。
お金は可能性です。それを使って何かを出来る可能性があるって事なんです。」
どん底に落ちる前に豪遊したり、特段豪華にする必要もないご飯にも大金を無駄遣いしたり…
といった描写はなかったから、衛が後悔している様子に重みは感じられなかったんですが、
それは何とか”お金持ちを満喫していた頃の自分”を脳内補完する事にしておいて。
これからは現代における「豊かさとは?」を
主人公の人生を通して描いていくのかな…?っていう微かな期待はあったのです。
500円玉も出してきた辺り、そのうちそんな話になるんだろうとてっきり思っていました。
ところが、今回はどうでしょうか。
恋愛パートを優先させ過ぎて、仕事パートはおろか、
会社が危機的状況に陥っている事や、
主人公が元お金持ちだったという設定すら空気になっていますよね?
物語上で重要になってくるであろう「1年後」も秒で終わり。
1年の間にスリースターブックスがどれだけ収益を得て、借金はどのくらい返済出来て、
事業を立ち上げてからどうやって軌道に乗せて行ったのか?といった
会社の進展に少しでも触れてくれていれば良かったのですが、
今の状況がどうなっているかも分からないまま
「200万貸してくれ!」という個人エピソードを描かれても…ちんぷんかんぷん。
っていうか、本当に貧乏なのであれば、ギャンブル性の高そうな海外留学に投資するより、
経営専門のスクールに通わせた方が安全だし安く済むと思うんですが…
取り扱っている事業内容も曖昧だから、なぜ留学させたがるのかも不明です。
わざわざ胸キュン要素を盛り込んで三角関係を作りたいのであれば、
金持ちだとか貧乏だとかそういう設定にする必要もないし、
タイトルが「SUPER RICH」である必要もないんですよね。
つまり、恋愛のせいで全てがちぐはぐになっている。
転けそうな衛を助けに行くシーンでスローモーション…?
誰もいない場所で2人だけの社交ダンス…?
演出や展開から、ここを見所にしよう!ここでキュンキュンさせよう!っていう
作り手の意図が透けて見えて、
個人的には一昨日のドラマと近しいものを感じてしまいました。
しかも本作の場合、メインはそこじゃないからこそモヤモヤします…。
衛と空(町田啓太)が付き合っている噂を聞いて、
衛の気持ちを確かめたり、好意を向けたりと、優視点で描かれる話にもなっていたためか、
次回予告で「反撃開始!」って言われても…正直、何が?って感じです。
なんか、ここまで内容が変わるとなると、
プロデューサー側から「恋愛要素も入れて!」って要望があって
急遽脚本を書き換える事になったのかな…とか、邪推してしまいたくなりますね。
どんな作品にしたいのか、双方の意見が一致しないまま来てしまった印象があります。
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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