最終回にして初登場の朋子の父・志朗(近江谷太朗)。
3話の感想で「誰からも愛される良い子でいなさい」といつも言っていた件について、
ある種の”縛り”のようにも思えた事から、罪な人だなぁ…と書いていたんですが、
実際の父はTシャツの通り「LOSER」でしたね…(苦笑)
あたかも熱心に育ててやった風の言い方でしたが、朋子(内田理央)が小さい時に
親権を手放した以上は、もう口出しする権利はない訳で。
なぜ離婚したかは、拓郎の態度で一目瞭然でしょう。
今は彼に賛同している様子の再婚相手も、そのうちストレスが積もり積もって
離婚を申し出る時が来るんでしょうねぇ…。
それで、あのエピソードで1つ何となくでしか分からない所があったんですけど…
隼人(武知海青)って、志朗と再婚相手との子供で合ってますよね?
つまり、朋子とは親戚のようなもの??
(たもつの散歩は、朋子の代わりに手伝ってくれていた?)
最終回で父の家庭関係を盛り込んだのは、
遼平(鈴木伸之)との関わりや、聡子(濱田マリ)と向き合う事で強くなれた
朋子の成長を示すのに必要なエピソードだったとは思いますが、
30分×8話で締めるのには、いろいろと駆け足だったかなぁ…という気はしましたね。
惣司(斉木しげる)にしても、単純に、居場所がなくなった遼平を拾って
父代わりに育ててくれた関係性かと想像していたのが、まさかの訳あり&病気持ちだったので、
やっぱり、遼平との馴れ初めから現在に至る話を掘り下げて欲しかった感はありましたし。
本当の父とも完全に話し合えていないままですし。
退職した貴美子(長井短)が今どうしているのかも、ちらっとでも見てみたかったです。
あと4話くらいあったら、ちょうど良い感じに収まったのかもしれません。
まぁでも、いつもの交差点で朋子を見送ってから、
自販機で三ツ矢サイダーを買って一服する遼平の姿がラストシーンになっていたのは、
中々粋な見せ方でしたね。
数年後に飛んで、同居生活を始めた2人…という、
恋愛ドラマにおいて”分かりやすい”進展を見せて終わるのもアリですが、
本作の場合は、最後まで「なんでもない日常の中にある小さな幸せ」を描く事を
大切にしていた作品だったと思います。
また、ラブシーンをストレートかつロマンチックに魅せていたので、
キュンキュンしながら楽しむ視聴者も
多かったかもしれませんが(私も遼平の言動にはキュンとする時はありましたw)、
個人的にはどちらかと言うと、ちょっとだけ抜けていたり、不器用だったりする人たちが
どうやって互いを”補填”し合っていくのか?を、回想も交えながら多面的に描く
「成長物語」として見ておりました。
朋子も遼平も、聡子も山本(瀬口黎弥)も…
みんながみんな「完璧」「良い人」ではない事を示す人物描写が丁寧で、
だからこそ、自然と自分を重ねて、共感出来て、応援したくなれたんだと思います。
遼平がカラオケで愛を伝えようとしたら、きっとこんな感じなんだろうなぁ…と思える
鈴木伸之さんの真っ直ぐで誠実な主題歌も良かったです。
岐阜のロケーションも含めて、じんわりと温かい気持ちになれる作品でした。
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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