宙わたる教室 2話 感想|知識を活かして生まれたささやかな奇跡

ドラマ

 

 

2話は越川アンジェラ(ガウ)の回。

ペンケースを盗んだ疑惑をかけられるマリ(山﨑七海)の元に仲裁しに入ったり、

傷ついてそうなマリには親身になって母親の事まで気遣ったり、

喧嘩が起きそうなのを察知して止めたり、おまけに店も兼業していて…。

いつも周りをよく見ている人なだけに、

相手を優先し過ぎて、自分を犠牲にしてしまっていないかな?と

序盤のうちから気がかりだったんですけど、

なるほど…マリの中学時代の件が関係していたんですね。

 

自分はもう若くないからと、夢を諦めて退学しようとしていた彼女に

藤竹(窪田正孝)がかけた言葉は「夢に優劣はありませんよ」。

こういった、相手をハッとさせるような的確な言葉をかけてくれる存在が

身近にいると、本当に心強い。

〇〇オタクでその分野にしか興味がないという登場人物はよくいるけれど、

彼の場合、科学や物理と同じくらい人の心にも興味を持っていて、

感情の機微にすぐ気づける一面もあるのがとても魅力的です。

「大気を安定してくれる人」という表現も素敵だなぁと思いました。

終盤でアンジェラについて話す時、基本、目を合わせずやや下を向いて話しているのに、

その褒め言葉を言う時だけ一瞬溜めて、少し恥ずかしそうにチラッ…と目をやる所なんかは

素直じゃなくて可愛らしくてw

思わずニヤニヤしましたよ。

 

素直じゃなくて…で言えば、岳人(小林虎之介)のシーンも、鉄板ながらグッときました。

2人の事は勝手にやめろよと言いながら、自分は昼の時間をわざわざ使って

高校に乗り込んでくるという。なんつう情に熱い男だ!(笑泣)

…でも、彼がここまで行動を起こせたのも、前回、藤竹に背中を押された経験があるからで、

クラスメイトの背景を知って自分の苦しみと重なり、人のために動こうと思えた。

メイン回じゃなくなっても、いろんな人との関わりを通して

地道に成長していく描写が見られるのは群像劇ならではです。

 

最終的にペンケースを盗んだ犯人は分かったものの、

校長が上手く収めてくれるだろうという事で

そこはやんわり終了…ですが、個人的にはそれで良い。

あんなに意地悪してくる人は大体プライドが高くて、

無関係の人を責めていた自分が恥ずかしくなっても、謝りには行かないもんでしょう。

むしろ、マリももう彼女たちには会いたくないと思います。

最後になって漂白されて「ごめん…」と反省するラストを用意しなかったのも、

ドラマ臭くなくて好感が持てました。

 

そして、ラストの実験シーンは、ささやかな奇跡を目の当たりにしたようでちょっと感動。

確かに、アンジェラは言語の問題や環境の違いもあって、

他の生徒たちの学力にはまだ追いつかないのかもしれないけれど、

長年お店を経営してきて培った知識がある。

自分はもう…と諦めかけていた彼女の人生が肯定された瞬間だったし、

あれは3人だから成功出来た実験だった。

子供心を取り戻したかのようなアンジェラと岳人の無邪気さの後ろで、

微笑みながら見守る藤竹の構図で終わる。

喜ぶシーンなのに、2人がもし藤竹と出会っていなかったらと想像すると…

出会いの貴重さに何だか泣きそうになります。

 

「ヤンキーだから」「外人だから」と差別されて生きてきた人々が集う定時制高校だから

彼らの言動には時に危うさや脆さも感じさせるんですけど、

最後には、少し肌寒くなってきた体をじんわりさせてくれるような温かさが待っています。

秋にぴったりな作品な気がしています。

今期のドラマはそこそこ充実していますが、本作は上位に来るほど好きです(笑)

これは最終回まで感想を書く事、確定ですね…。

(遅くなっても最後まで投稿出来るように頑張ります!)

 

 

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Source: りんころのひとりごと。

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