一時代前風のざらついた映像の中で、カラスが頻りに鳴きながら飛び交うという
不気味さを漂わせてスタートした本作。
それから、ブレるサブタイトル、刑事の乗った車にふらふらとぶつかって接近する男たち、
ちっちゃくなった!?@前期の某ドラマ とは到底言いづらい強烈さを放つ殺害現場に、
滲んでいるように見えるSNSの投稿が並ぶカット…など
数々の不気味な要素を畳み掛けた事によって、
宇喜之(小日向文世)が普通に食べているはずの葛ねりまで
気持ち悪く見えてしまう所が面白かったです。
冒頭から引き込まれましたね。
本作って漫画原作じゃなくてオリジナルだったよね?と調べてしまうくらいには、
独自の世界観が既に構築されている印象を受けました。
不協和音だったり、リズムをわざとずらして演奏されているピアノ調の劇伴も
雰囲気作りに貢献しています。
内観も凝っていますし、なんて事ない移動シーンも
やや途切れ途切れの映像で見せていて(←伝わるかな?)、
些細な部分にも演出にこだわりが感じられます。
肝心の超常現象の描写も、警察だけにロジカルに解決していくのかと思いきや、
事件や人間の心理で不可解に感じた所は推理で解明するけれども、
超常現象もどこかに存在していて、全てを知ろうとしなくて良い…という
良い意味で曖昧さを残した終わり方になっていたのが興味深かったですね。
「今の人間は全てを理解しようと、自分に都合のいい情報だけを拾って、
都合のいい解釈をして必死に答えを見つけようとする。だから、世の中が息苦しい。」
「分からないものを、分からないまま受け入れる余裕を持ってください。」
興玉(藤原竜也)のこの考え方には強く共感。
私は超常現象の他にも、お化けや言霊は存在すると信じている方だけれど、
そんなのある訳がないという人の気持ちも分かりますし、
妄想も現実も、今の世界を築くために必要なものだと思っているので、
白黒つけない、どちらの意見も尊重して認める方向性で行く本作とは
もしかしたら相性が合うかもしれない…と期待させてくれた初回でした。
今期のフジテレビのドラマは、月火水と事件モノが続いていますが、
どの作品も毛色が違っていて、それぞれで楽しめそうですね。
(まぁでもやっぱり、似通ったジャンルを3日連続でやるのは…
企画会議はしていないのか…とは思いますが(笑))
昨日の野菜は…ベタな刑事モノだな〜と思いつつ、後半以降の武藤節たっぷりの展開で
もう少し様子見してみる気にはなりました。
私が見ている秋ドラマ、今の所、どこも好調なスタートで嬉しい限りです。
Source: りんころのひとりごと。
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