海のはじまり 1話 感想|初回はホラーな印象が先行しちゃったけど…

ドラマ

 

 

「silent」チームが再び集結し作られた、3作目となる本作。

その作品は2年前に放送されたもので、

2作目の「いちばんすきな花」は去年に放送されたから、

年に1回の短いスパンで新作が生まれている辺り、

意地悪な言い方ですが、フジテレビは話題性の高いオリジナル脚本が書ける生方美久さんを

手放したくないんだろうなぁ…と思っちゃいます。

 

正直、「あのチームが再び!」と宣伝するなら、せめて3年ぶりか5年ぶりか、

しばらく期間を空けた方が再集結の価値も高くなって、

その作品のファンである人々の喜びも倍増するんじゃないかとも思うんですよね。

それに、いつまで生方さんに「silent」のイメージを与え続けるのか?

というちょっとしたモヤモヤも。

明確な意思を持った作品をどんどん生み出す事自体は

ドラマ業界において良い事だとは考えているので、

個人的には、一度フジテレビやあのチームから離れてみて、

例えば、TBSの金10やテレ朝の木9の脚本を書かれたらどう仕上がるんだろう?と

興味も持っているんですけどね。

何と言うか、過去のヒット作に縋り過ぎなんですよねぇ。

 

作り手側にしても、局側の要望を受けて入れているのか、

自らのアイデアで入れているのかは不明ですが、冒頭の海辺を歩くシーンや

沖縄料理店で夏(目黒蓮)と水季(古川琴音)の2人でいるシーンでかかった劇伴は

もろ「silent」で聴いた事のあるような曲調だった上に。

イヤホンに、スピッツに、小田急線に…と、

意識しなくてもどうしてもその作品が過ぎってしまう要素が散りばめられており、

その作品を好きで見ていた私でも、時々漂う商売っ気に

複雑な気持ちにさせられてしまいました。

そこは初回大サービスくらいで、次回からは大人しくなると良いなぁと願ってます。

 

さて、前置きが長くなりましたので、ここから初回の感想を書くとするなら…

ざっくり言えば、“節”はあるけど”癖”はない。そんな印象を受けました。

生方美久さんの脚本は小説寄りの独特な言い回しが特徴的だと捉えていますが、

本作の場合は独特さはほぼ感じず、モノローグもなかったので、

間を持たせた会話で静か〜に展開されていった内容には、

過去作品で苦手意識を覚えていた視聴者も見やすかったのではないかと思います。

 

結構意外だったのは夏と水季の人物設定で、

作品概要をチェックするだけで、事前情報も相関図も見ていなかった私からしたら

てっきり水季役は有村架純さんだと思い込んでいたので、有村さん演じる弥生は

現在付き合い始めて間もないらしい(合鍵がないのと「月岡くん」呼びから)彼女であり、

元カノの水季の娘・海(泉谷星奈)を今後2人で面倒を見ていく事になる…

という話になると知った時には驚きがありました。

そして、夏と水季はかつて、妊娠中絶同意書にサインしていた関係性である事も。

 

夏がカメラロールに8年前の水季の動画を残すほど過去を断ち切れなかった事については、

ある日突然彼女から同意書のサインを要求され、

いきなり学校を辞め一方的に別れを告げられたという衝撃的な出来事が立て続けにあったので、

今はどうしているのか気がかりな部分があったんだろうと察せられるんですが。

水季に関しては本心がよく分からず、夏の知らないうちに

娘と一緒に彼の自宅に行く練習をしていたってどういう事…?え……?と思えて

ホラーに感じてしまったのでした(笑)

おまけに、海は水季の動画を見せてくるしw

当時は巻き込みたくなかった気持ちがあったとは言え、1人で育てると決心したのなら

父の名前は積極的に出さず、「パパは遠くに行っちゃったんだよ」とか

「お星さまになっちゃったんだよ」とか嘘をついて誤魔化しそうな訳で。

家に行ったのは…自分が亡くなる時が来たら

夏に育ててもらおうと考えていたからなのかどうなのか。

なんとなく、生き霊みたいでね…(苦笑)

それが終盤に用意されていたただけに、

初回のインパクトはそこに持って行かれた感はありましたね。

 

しかし、劇中にはドキッとする言葉もありました。

夏と対面した時の、水季の母・朱音(大竹しのぶ)の

「妊娠も出産もしないで父親になれちゃうんだから」発言です。

確かに、母親は自分のお腹に命を宿した時から”母”になるけれど、

お腹の子と一緒に生活する大変さとか、産むまでの痛みを知らない父親からしたら、

出産に立ち合わない限り、自分が”父”だとは中々実感しづらいかもしれません。

父はいつ”父”になるのか。「父になる」とはどういう事なのか。

弥生との新たな日常を送るようになった所で、いきなり目の前に現れた子供が

自分のパパだと知らされる夏の立場なら余計に、実感するのにかなりの時間がかかる。

始まりと終わりの基準は何なのか…

それが、冒頭の「どこからが海?」に繋がってくるんですね。

 

いろんな意味で心がザワザワした初回ではありましたが、

続きを、父になるまでの過程を知りたいと思えたのは確かです。

拡大分も使って初期設定をガッツリ紹介した内容になっていたので、

話が長い!と思われる視聴者もいらっしゃったかもしれませんが、

私としては、初回のラストに、紆余曲折を経て

衝動的にでも「俺、この子の父親になる!」というオチで片付けなかったのは、

ドラマ臭くなくて、リアルで自然な展開で好みでした。

 

正直、今回の内容にちょちょっと話を追加すれば

映画やSPドラマとして成立出来そうな内容ではあるので、

途中で引き延ばしをやらないかどうか?ですね。

上手くいけば、良作になりそうな気はしますが…果たしてどうなるでしょうか。

 

 

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Source: りんころのひとりごと。

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