前回でなるの父親に、自分の代わりに面倒を見てほしいと
託されたエピソードを反映させているためか、
動物園でなる(宮崎莉里沙)を肩車したり、公園で気にかけたりなど、
いつにも増して、清舟(杉野遥亮)の行為の節々に”パパらしさ”が垣間見えた所や。
島に来ても住民たちからは他人行儀な態度をとられる神崎(荒木飛羽)と対比させつつ、
東京では呼ばれない「半田先生」というあだ名が島では定着している辺りに、
清舟のもう1つの居場所がそこで徐々に構築されてきているのが
感じられた所は良かったんですが…
この2点以外を除けば、今回の話は全体的に「んん?」ではありましたね。
何と言うか…堂々巡りになってしまっているのかな?
個人的には、5話・6話前半・7話の内容を混ぜて
焼き直しされているように見えたんですよね。
だって…今回の「島に戻る」のくだりも、
なるとの会話で自分の進むべき道が見えてきたくだりも、
5話で、東京でなるたちとテレビ電話をして、
彼らの存在が創作活動の励みになっていると気づいたエピソードで描かれていますし、
「石垣」という作品を描いた事で、
清舟自らが「方向性が見えた気がした」とも既に語っているんです。
そして、7話の親が島に来る話では、清明(遠藤憲一)と書道対決をする形で
自分では到底超えられそうにない父の偉大さを悟って不安になっていましたし…。
だから、今回で父の仕事ぶりを見ながら
「俺は…親父みたいになるのは無理だって思っちゃったんだよ」と言っているのを聞いて、
7話ではお互い”ライバル”として認め合ったのに、
また、父親=師匠を”世間に認められる書道家“の基準とする
考え方に戻っちゃうの?とも思えてなりませんでした。
これ…思うんですけど、6話の内容はどこかに回して、
7話での父から学びを得るエピソードを今回のエピソードに置き換えて、
その置き換えた話を5話と同時進行させても支障はなかったのかもしれませんね。
ややこしい言い方ですみませんが…(汗)
つまり、コンテストの関係で東京に戻ったつもりが、
清明からのお願いで、そのままホテルでの仕事を手伝うという流れにするんです。
で、父の作品に圧倒された清舟が、自分らしい作品が何なのかが分からなくなって
模索した結果、あの「石垣」に辿り着いて、島に戻る事を決断する…と。
どちらが子供の心を惹きつける字を書けるか競い合う対決は
それはそれで両者の個性が見えて面白かったですし、
防波堤で約束を交わすシーンも、男性同士ならではのロマンと固い絆を感じさせて
うっとり見入ってしまったんですけど。
よくよく考えてみたら、別に島での話じゃなくても良かったのかな?という気はしましたね。
今回の、清明が息子に、本格的に自分の手伝いをして欲しいと頼むのだって、
「石垣」を見て、息子が殻を破れたのを確信したから…が動機になっていても
おかしくはなかったと思います。
まぁ、あの内容を持ってきたのも、最後の清舟の衝撃発言も、
最終回に向けての準備も兼ねているからなのかもしれませんが…ちょっと強引でした。
6人をタイル状に並べながら「それぞれの未来は」という
テロップを表示させての次回予告も、物凄く最終回感が漂ってましたよね(笑)
清舟以外の人物にもスポットは当たっていましたし、
当初から「自分らしさとは?」に焦点を当てた物語が紡がれてきたので、
それぞれがどの道を選択するのか?が本作のゴールになるのも妥当ではあるんですけど、
急激にクライマックスを匂わせて来たなぁ…って印象です。
でも、基本好意的に見続けている作品ですし、登場人物も愛しい人たちばかりなので。
最後まで本作を応援します!
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Source: りんころのひとりごと。
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