良さげな感じだなぁと思いながら、最後までそれが途切れる事なく視聴。
やっぱり、面白いドラマは放送開始の5分間で決まるもんなんですね。
冒頭での、明墨(長谷川博己)が顔の見えない被疑者に語り続ける長台詞。
「過ちを犯してもやり直せる。日本はそんな優しい国とでもお思いですか?
例えば隣に殺人犯が引っ越してきたら?
『私、人を殺したんです』と言われて、そうですかと笑えますか?」
「法律というルールの中では許されても、
リアルな世界では、一度罪を犯した人間を許す気なんかないんです。」
他にも全部引用すると長くなるので一部抜粋にしましたが、
この後のスピード違反のくだりも含めて、
前半の段階では、理屈臭いし、敵に回したら面倒なタイプだけど
言っている事は確かに筋が通っているなぁ…と。
目の前の人に嘘偽りなく向き合おうとする”正しい人”なんだという印象を覚えたんですね。
しかし、物語が進むにつれて、羽木の息子・湊(北尾いくと)が
当時ボールを拾ってもらった「お兄ちゃん」が
実は緋山(岩田剛典)でない事が明らかになると、
あれ…捏造…?「証拠の数は多ければ多いほど良い」って、
もしかして、こじつけで作った証拠も含まれているって事…?などと、
明墨の歪んだ一面が見え始めてくる。
裁判を勝ち取るためなら、障害も子供も利用するなんてエグいなぁと思っていたんですが、
本人も発言していた通り、最終的には
不確定である物事は徹底的に排除するのが彼のモットーで、
障がいのある人には知識を与えたりと、完全に”悪い人”ではない事が分かる。
なんだけれども、捏造しちゃってるからなぁ…というモヤモヤは残る訳で。
彼は何が狙いなのか?何を考えているのか?どんな人間なのか?
もっともっと彼を知りたい。
そんな純粋な興味で、引き込まれるように見てしまった1時間半でした。
明墨の異様さを引き立たせるためか、
日曜劇場らしからぬダークな雰囲気が終始漂っています。
でも、後のラスボスになるのだと分かる人物はしっかり用意されているし、
やたら壮大な劇伴は、長年培ってきた日曜劇場”らしさ”とも言えるでしょう。
…ただ、こう書いてはみたものの、従来の作風とはアップデートされている気もしていて。
昔だったら、顔面どアップ!顔芸バーン!憎き悪役を倒す勧善懲悪!のキャッチーな演出で
この物語を魅せていたかもしれませんし、←私の日曜劇場への偏見も大分酷いけどねw
劇伴だって、壮大ながらも高級感もまとわせていて、
じわじわと緊張させられる曲調で相当珍しいと思うんです。
結局何が言いたいかって言うと、この枠ならではの良い部分はそのままに、
新しさも取り入れられているなぁと。
そして私は、この枠の良さとしてもう1つ、盛り上げ上手な所も挙げておきたいです。
先ほど少し触れましたが、終盤で伊達原(野村萬斎)が登場してきて、
まるで彼と対話しているかのように、冒頭での明墨の語りを被せてくる演出には
ワクワクさせられてしまいました。
主人公とは真反対の考えを持つ存在…
どんな設定で、どう見せれば視聴者が「次も気になる!」と思えるのかが
ちゃんと分かっていて、そこは、さすが看板枠だと思いました。
まぁ強いて言うなら、姫野検事(馬場徹)がポンコツに描かれ過ぎていないか?
というのは気になりましたけどね。
だって…証人リストに2名しか記載されていないなら、
いや覚えとけ!って話になりますからねぇ(笑)
あとは…24分も拡大したのに、次回に続くとは!
でもそこは、主人公の描写のお陰であまり引き延ばし感を覚えなかったので、
特に不満ではないかな?
緋山が殺害したのか?していないのか?に関しては、
冒頭で「人を殺してるんですから」と明墨が言っていたので、
そのまま犯人で、次回は、何としてでも無罪に持っていく流れになりそうですね。
きっとこの主人公を演じるのが楽しいんだろうな…というのが伝わってくる
長谷川博己さんの活き活きとされた演技も良かったです。
次から次へと出てくる台詞が、聞いていて本当に気持ち良い。
目は笑わず、ニタァ…とゆっくり口角を上げる表情も、食えない感じがして魅力的です。
そして、北村匠海さんのポジションは、同じく主人公が強烈で、
去年のこの時期の放送だった点から、どことなく「教場0」を思い出してしまって。
今度は最後まで無事でありますように…なんて、
本作とは脱線した事もふと考えてしまいました(笑)
果たして、どんな結末になるのか?
今はただ、明日の放送が楽しみです♪
Source: りんころのひとりごと。
コメント