いやぁ、すっごいねぇ…………。
刑事を取り扱っているのに、良い意味で最終回感がない最終回は初めて(笑)
最近の刑事モノと言えば、クライマックスに近づくにつれて結局復讐路線に走ったり、
新たな巨悪組織や黒幕に頼ったり、
警察上層部のお得意の”もみ消し”で主人公側が不条理な目に遭う展開をやったりで
「警察の世界はドス黒い」イメージを植え付けがちの既視感漂う内容で終わってしまう中。
本作はあくまでも「お仕事ドラマ」に特化し、
“いつものメンバー”で1つの事件を解決するまでの過程を
笑いあり、涙あり、学びあり、支えあり…といった日常生活ベースで描くスタイルを
最後まで貫き通したのには、もう非の打ち所がありません。
ギャグ要素も絶対欠かさないし、
楽しい時間が続くなぁと思っていたら、ある時はまるで鈍器で殴られたような
ショックな感覚が襲いかかる。
このコメディとシリアスの転調っぷりが、本作の先の読めない面白さに繋がっていて。
最終回にしても、川合(永野芽郁)の噛み言葉につられて
木村(森下能幸)も動揺から噛んでしまうエピソードでは、
川合のふにゃふにゃ具合に笑っちゃうけど素直に笑っていて良いのか、
臆病者に見えるけど実は裏の顔を彼女の目の前で見せるんじゃないか…などと
楽しさと緊張感の狭間で揺れ動かされっぱなしで、通常とは違った見応えがありました。
まぁ、結果的にはストレートに「娘に合わせる顔がないから逃げた」という動機で、
サイコパスとかじゃなくて安心しましたけどね。
犯行自体は許せないものでも、「娘に迷惑をかけたくなかった」
「捨ててしまった娘に似ている警察官がいるから見守っていた」といった所は
ちょっと切なくもなってしまうのでした…。
しかし、人を死なせてしまった罪悪感から逃げるために自分も死のうとするのは、
やっぱり罪を償うべき者がやってはいけない行為だと思うので。
いつか警察官である娘と再会し、諭してもらって初めて自分のした事の重大さに気づく日が
来ると良いなぁと願うばかりです…。
桜(徳永えり)の復帰の件は、事件は解決してもそこで得た傷は決して消えないので
辞めるのも仕方ないよね…と思っていたら、まさかの…でしたね。
ここのくだりはファンタジー。
でも「川合だから」納得出来てしまう自分もいて。
そう思わせるのは物語の積み重ねと役者さんの演技あってこそなんですよねぇ。
藤(戸田恵梨香)との仕事を通して着実に成長してはいるんだけど、
根本的にはあどけなさがあって…
のんびりしているようで重要な場面で大役を果たす、
「ああ、ちゃんと周りの良さを吸収してきているんだなぁ」というのが伝わる
絶妙なさじ加減を演じる永野芽郁さんのコメディエンヌっぷりも良かったです。
あと、このエピソードと言えば…伊賀崎(ムロツヨシ)が桜を案内する時の
「ペアとしての、最後の公務をさせてよ」の「て↑よ」の語尾で、
平静を装っているフリして感情を堪えているのが伝わってきて、そこからもう泣けてきちゃって。
とっとと業務に戻れ!と警察官達を追い払いながらも
本当の所は桜との再会の時間を独り占めしたかった(ように見えた)
もう、町山署の面々は愛しかないですな…。
先輩後輩関係なく、頭ごなしに怒るでもなく、
相手にリスペクトを持って接する姿が描かれたのも、本作の好きなポイントでした。
今期一番面白かったドラマは何かと聞かれたら「ハコヅメ」と答えるのは勿論ですけど、
永野芽郁さんが演じた役の中で一番好きな役は何か聞かれたら川合って答えるし、
戸田恵梨香さんだったら藤さん、山田裕貴さんだったら山田くん、
三浦翔平さんだったら源さん、ムロツヨシさんだったら伊賀崎さんと答える事間違いなし。
「ボイス」が続編作られたんだから…
高評価の多い本作も続編、作りますよね??←圧をかけるな(笑)
伊賀崎の過去の職場や、桜の復帰とまだまだ触れられていない部分もあるし。
そもそも時期は夏の設定だったので、他の季節でも見てみたい!
Season2、お待ちしておりますよ〜〜!!
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Source: りんころのひとりごと。
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