他スケジュールとの兼ね合いもあるのかもしれませんが…ライバルとして登場して以降、
全体的に出番は少なかったですよね、神木(ディーン・フジオカ)って。
ふらっと登場してきたかと思えば、1位にこだわり続ける理由も明かされないまま
犯罪スレスレ(というか犯罪)行為を行ってきたり、タップダンスを披露したり。
それが視聴者の「なんでそこまでして1位を取りたがるの?」「なんで毎回タップダンス?」
といった彼への不気味さや得体の知れなさを増幅させ、
今度は、彼は一体何者なのか?という興味に繋がっていきました。
いつ過去が明かされるのだろうかと待ち望んで、ようやくその機会が訪れた今回。
前回の感想でも書いたように、何となく悲しい出来事がきっかけである事は
分かってはいたんですが…いやぁ、結構しんどいものでしたね。
息子・翔太(石塚陸翔)と1位を取ると約束し、
交通事故で亡くなってしまった翔太の分まで背負うようにして、今もその約束を守り続ける。
気持ちは分かるけれども、だからって何も犯罪までやらなくても…
むしろ、妻と息子を喜ばせたいのであれば、
今の姿を2人が見たら悲しむって想像はつかないんだろうか…なんて、
過去が明かされてもなお納得し切れずにいたのですが、
なぜ納得し切れないのか、後に花澤(倉科カナ)に語るシーンで
ちょっと納得出来た自分もいました。←ややこしい言い回しですが(苦笑)
1位を取れなかったら妻と息子が目の前から消えてしまったけれども、
また1位を取り戻したら2人に再会出来た。
まぁ要は…神木の心の中は、15年前で時が止まってしまっているのだと。
神木が夜道の街灯の下でタップダンスをしている時、そこに残像として現れた2人が
妙に、まさに街灯の明かりに照らされているかのように
はっきり映っているなぁと思っていましたが、
きっと、彼の目にはそこに実在して見えているって事なんですよね。
「1位にこだわり続ける」と書き続けてきたけど、
言葉を選ばずに書くなら、もはや執着、依存に近いんでしょうか。
今の神木に必要なのはカウンセリング…と思うくらいには、いたたまれなかったです。
そんな神木に対抗して、永瀬(山下智久)はどんどん
住民たちにとっての”町のヒーロー”になっていきます。
最初は永瀬も、ミネルヴァ不動産が悪どい方法で結ばせたサブリース契約は
借地借家法で守られているから、そう簡単に手を出せないと半ば諦めていたのが、
石田(山﨑努)に背中を押してもらってアクションを起こすっていう展開が、
シーズン1から見ている者からしたらグッと来てしまってねぇ…。
人に喜んでもらいたいから和菓子作りを続ける。
そんな、今の永瀬の正直な仕事ぶりの”原点”とも言える人から…って所に
意味を感じさせるシーンでもありました。
月下(福原遥)や十影(板垣瑞生)をサポートしながらいろんな町の人々の悩みに向き合い、
時には営業売り上げに繋がらなくても、相談を引き受ける。
で…前回の登坂(草刈正雄)の言葉
「町の不動産屋さんっていうのは、顧客だけじゃなく町の人々に生かされて商売してる。」。
群像劇のごとく、他の登場人物の事情に首を突っ込んだり、
恋バナや騒動などで話を賑やかせたりした結果、
主人公(または描くべき対象)の成長過程描写が
中途半端になってしまうドラマも散見されるだけに、
たくさんの人に支えられ、影響を受けながら
永瀬が”町のヒーロー”になるまでを着実に描いている本作には、清々しささえ覚えます。
次回で最終回。
永瀬の周りが祝福ムードになっている裏で、
暗号資産が暴落して落ち込む十影に神木が声をかけ…
榎本(泉里香)にはニューヨークへの転勤話が舞い込み…
建設予定地の看板が建てられている所を桐山(市原隼人)が目撃し…で
いろんな出来事が勃発しているというのが、最終回前らしくてワクワクさせられますね。
でも、もう終わり…良いドラマほど、最終回が来るのが早く感じるもんなんですよねぇ。
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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