なんだろうなぁ。悪くはない。
愛で絆されがちなこの手のドラマで「結局お金が一番だから」と言ってのける潔さは良かったし、
これから面白くなりそうな予感はさせました。
ただ、うーん…最後を除けば、全体的に掴みは弱かったのかなぁって気はします。
それは私が勝手に、公式サイトで記載されていた
「ジェットコースターのような波瀾万丈な半生を描く」部分に惹かれて
もっと高低差の激しいドラマチックな展開になるのだろうと
期待していたのもあったのかもしれないし。
そんな話だと事前に知っていただけに、悲劇が起こる約50分までが
人物紹介・状況説明に割き過ぎていて
少し中弛み気味に感じてしまったっていうのもあったのかもしれません。
でも、そこに尺を割く作りになっていた割には、
登場人物の奥行きやそれぞれの関係性がなんだか曖昧…?
はてなマークを2つ浮かべながら見ておりました。
これから書くのはあくまでも所感なので、
この人はそう思ったんだな〜くらいに軽く受け流してくださると嬉しいです。
まず、これは細かい所まで気にし過ぎだとツッコまれそうですが、
衛(江口のりこ)を社員みんなして「衛」「衛さん」と
下の名前で呼んでいたのが気になりました。(ちなみに、本題はここではないです。)
あれ?社長だったよね?と思って相関図を調べてみたらCEOで、
一番偉い役職に就いている事になる。
同じくCEOで、かつ創業当時からの同志である一ノ瀬(戸次重幸)が呼び捨てなのは分かるけど…
いくら同世代の社員がいようと、長い時間を共にしていようと、
会社としての立場を考えたら「社長」呼びで接するのが一般的な訳で、
年下の社員にも下の名前呼びを許しているという事は、
それだけ衛が頼れる存在で、周りと壁を作らない性格なのだと考えられるでしょう。
しかし、実際に彼女を慕っている様子は表向きなものが多く、
彼女になぜ中堅どころの社員数人がついて行きたいのかの説得力が欠けていて、分かりづらい。
もっと言ってしまえば、「愛に飢えた」の最も対象となる存在であろう一ノ瀬との関わりも、
同志として信頼しきっていたり、身を任せたりする描写も薄かったので、
みんなが反対の意見を出す中、1人だけがなぜ彼を庇ってまで会社経営を維持したいのかにも
同情出来ませんでした…。
あとは「同じ所に立っている」という表現。
これ…会社のお金がなくなったのであって、自分のお金はなくなっていないんですよね?
自分の全財産を計算しているシーンはあれど、家を売ったと確信出来る決定的なシーンはないし、
すがるように銀行に融資を頼んでいたので、約8億円の返済方法をいろいろ模索しながら
考えている最中という事にもなる。
例えば、困った一ノ瀬が衛の通帳から勝手にお金を下ろしたりして、
家も人も貯金も何もかも失った…というどん底の設定なら分かるんですが…
まだ家を維持出来るほどのお金はあるだろうに、なぜお腹を空かせていて、
なぜ元々貧乏である優(赤楚衛二)と同等にいるという表現になるのかが理解出来ず。
36年間お金持ちの人生を歩んでいたから、プライベートは贅沢三昧してきたとか?
自分のお金を会社に全部つぎ込んできたとか?
でも、そんな描写全然なかったじゃない?CFO(最高財務責任者)だっているのにね。
うーん…主人公の設定と全てにおいてチグハグなんですよねぇ。
「お金はあるが愛に飢えた女社長」らしさが各々のエピソードを通して感じられなかったのは、
優の人物紹介と、優との馴れ初めに重きを置いた展開が原因なのかしら。
冒頭でも書きましたけど、本当に”面白そう”で、決してつまらなくはなかったんです。
ただ、個人的にず〜っと引っかかる部分があっただけで。
この「?」を言語化した感想が伝わる人には伝わると良いなぁ。
で…次回こそジェットコースターな内容を楽しめますように。
Source: りんころのひとりごと。
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