これは完全に拾い物でした。
今までこの枠で放送されてきた恋愛(を取り扱った)モノはあまりの軽さに
リタイアしてしまった作品ばかりだったため、
本作もどうせ、安易に視覚障がい者を題材にした安っぽいドラマになるんだろう…と思って
事前に期待度も低めに設定していたんですが、
そうした事が申し訳なくなるくらい掴みは抜群でした。
個人的にグッと来た所は後述するとして…
杉野遥亮さん演じる森生が想像以上にピュアで不器用な性格に描かれていたのが
本作の世界観に惹かれた一番の理由だったのかもしれませんねぇ。
もうね…「もしかして『又』の方で書いちゃいました?」とか「お勤め御苦労様です!」とか
発言がいちいちズレてるのが可笑しくて(笑)
でもそれも、誰からも愛されない人生を送ってきた者が初めて”恋”を知ろうとしているが故の
発言だというのが伝わるように描かれているから、
可笑しいと思ったら今度は彼の真っ直ぐさに泣けてきて、
笑いと泣きが同時に起こる変な感情になってしまうんですよね…。
次はどんな反応を見せてくれるのか気になって。言動の1つ1つが愛らしくて仕方ない。
本来は中の人のイメージを役と重ねる見方は正しくないのかもしれないけれど、
この役は杉野さんだから魅力的に映ったと思っております。
そして不安だった日テレドラマ特有の軽さも、”日テレらしさ”として残しつつ、
伝えたいメッセージがちゃんと芯にあるように感じられる
コメディとシリアスのさじ加減が効いた作りになっているのも好印象。
最初は、別に悪い意味ではなく、主人公が弱視である事、弱視の人が見る世界を
なぜこんなにカラッとしたトーンで描くんだろう?その意図は何なんだろう?と
思いながら見ていたのですが、ああ…「私が…普通?」を魅せるためだったのだなぁと。
恋の物語ではあるけど、恋”以上”の所に踏み込む物語なんですね。
偏見や変わり者扱いされて傷つけられてきた者同士だからこそ、
自分にとっては 周りと比べて浮いている=普通じゃないと感じる部分でも
相手が普通だと思わせてくれる。
あえてあの前半の雰囲気にしたのを考えると、ユキコ自身、
「弱視だから」と言い聞かせて無意識に強がっていた所があったのかもしれません。
それを色眼鏡なしに、彼女の良さだとして素直に認めてくれる森生の存在には
少し救われた気持ちになっただろうし。
そこから徐々に自分らしさを晒け出すようになるユキコの姿を、
森生と広大なマリーゴールド畑が受け止めてくれているようなラストも優しさで溢れていて、
本作をまるごと一気に好きになってしまう…そんな初回でした。
恋愛モノを見続けるかリタイアするかの基準の1つとして
「登場人物を応援出来るか」があるんですが、
本作の場合は、応援したいかも…じゃなくて、
こんな可愛い2人見守るしかない!応援したい!だったので、
初回から登場人物にハートを掴まれたのは、個人的には滅多にないです。
唯一の気がかりとしては、登場人物の多さ、毒親的なイズミ(奈緒)のキャラクターから
中盤以降”恋”の方の障がいを前面に押し出した
作りになってしまわないか?という不安はありますが、これは期待したいですね。
ところで…鈴木伸之さんはまたデスプリンスみたいなポジションなのかな?(笑)
Source: りんころのひとりごと。
コメント