いちばんすきな花 1話 感想|今後がどうなるか…かな。

ドラマ

 

 

「silent」スタッフによる最新作。

視聴前からこの事が結構プッシュされてましたね。

フジテレビとしては、去年のヒットに続いて絶対に成功させたい…

キャストや予告映像からも、そんな気合いすら感じさせます。

 

まず初めにおことわりしておくと、絶賛&長文だらけの感想を

一度でも読んで下さった読者様ならお分かりかと思いますが、

私にとって「silent」は今でも大好きな作品です。

主題歌を聴いたり、テレビで映像が流れたりしただけで

目頭が熱くなるくらいには思い入れもあります。

それだけに、去年の放送からちょうど1年というタイミングで

「大好評だったから、オファーを受けて再び作品を作る事になった」事情が察せられる本作が

二匹目のドジョウで終わってしまわないか、とても心配でした。

 

完全な”続編”ではないですし、他の作品を挙げるのも気が引けるので名前は伏せますが、

上記の内容を書いたのも、同性同士のピュアな恋愛模様を描いた某深夜ドラマが頭に過ぎる訳で。

その作品に関しては、シーズン1は当時純粋に面白く感じられても、

(未視聴の劇場版は置いといて)大ヒットを受けて制作されたシーズン2では

本来の良さだったはずの心情描写が荒削りになって、

SNS受けを意識し過ぎたのか、かなり不自然な展開が続いた事があったので…。

形式は違えど、本作も残り3人の主演俳優の発表を意図的に引っ張った件もあって、

あざとい作りになってしまうのではないかと思っていたのです。

 

これらを踏まえた上で、じゃあ初回を見てどう感じたか?と聞かれたら…

残念ながら、あまり乗れなかった…というのが本音でしょうか。

言葉を選ばずに言うなら、正直、過去の栄光を引きずっている感は否めませんでした。

 

冒頭でも書いたように「silent」スタッフなので、監督も作曲家も同じ方が担当されています。

だからなのかもしれません。

少し彩度を落とした暗めの質感の映像に、儚くて切ない劇伴に…

さらに「silent」を彷彿とさせる、ファミレスや公園、教室でのエピソードを

所々に散りばめたりなんかしたら、どうも似通った作品を見ている気分になって、

“本作の物語”には没入しづらかったんですよね。

そして…これは、脚本家の生方美久さんが、大事にされている環境下で

伸び伸びと書かれている証拠なんだと思いますが、

「silent」では「あ〜、確かに!」と納得するくらいだった”坂元裕二さんへのリスペクト”が、

(※生方さんは坂元裕二さんを、尊敬する方として挙げています)

本作では登場人物のキャラクターや台詞に前面に出過ぎていて、

なんでそんな流れに?という突拍子もないやり取りも多くて。

それが、映像と劇伴から漂う雰囲気や真摯な作風と

ミスマッチを起こしているような印象を受けました。

 

人物描写については、嫌われている訳ではないし付き合いもあるけど

「仲良い友達の1人」にはなれないと嘆く紅葉(神尾楓珠)の気持ちには共感出来ましたが、

密室での男女2人っきりで嫌な思いをしている人に対して配慮をせず、

自分の考えを優先して「しょうもない」で片付けてしまう

ゆくえ(多部未華子)の態度はどうなの?と思えてしまいましたね。

4人の合流の仕方も…ちょっと強引だったと言いますか。

恋愛や友情に向き合う事で初めて新しい”気づき”や”答え”を得る様子を描く上で

重要なシーンになるでしょうに、

初対面の人にお遣いを頼んだり、初対面の人をいきなりお茶に誘って家に入れたり、

二回目はないと割り切っているからだとは言え、

プライベートな話をスラスラと語り出したり(汗)

ツッコミどころ満載だったので、もう少し違和感なく描いていただきたかったです。

 

ただ、ここまで散々書いてきたけれども、全部が全部微妙ではなく、

良い所があったのも事実です。

個人的に良かったのは、ほんの些細な動作なんですが、

「女の子らしい」イメージが未だに残り続けているピンクのマグカップを、

一瞬躊躇しながらも椿(松下洸平)が紅葉に差し出したシーン。

元々は奥さんと使う予定だったから、女性にだと…という気遣いもそうですし、

何となく、「男女=恋愛関係になる」事に疑問を投げかける、

男性も女性も平等に描く本作らしいシーンだと思いました。

 

あとは…思う所はいろいろありつつも、

やっぱり生方さんの構成力の高さは健在だなぁと。

具体的に書くなら…「友達として接していたつもりが恋人になってしまったら」を共通項に、

実際そうはならないんだけれども、人によっては物凄く勘違いされる恐れのある

ゆくえと赤田(仲野太賀)のエピソードを描いてから、

「実際に恋人になって」捨てられてしまった椿と元妻のエピソードを描いて対比させて。

それから、友達付き合いに不器用さの残る者同士、

便利屋だと思われている紅葉のエピソードと

相良(泉澤祐希)と意思の疎通が図れない夜々(今田美桜)のエピソードで関連性を持たせる。

終盤は、電話→初回無料トライアル→お水→生花 でリレー形式にもなっていて。

何かと何かを絡ませながら、物語を徐々に膨らませていっているので、

話が乱立している感じはなく、そこはスムーズに見られました。

 

小物をキーアイテムとして取り入れている所も特徴ではありますよね。

マグカップの他に、もう1つ気になったのは「電話」。

SNSやチャットよりも”2人”で繋がっている事を最も意識させるツールなので、

どうしても1対1の構図になるものを、

2人組になれなかった&ならなかった4人全員が積極的に利用している辺り…

2人組に対して憧れを抱いているからなのかとも考えさせられるんです。

まぁここは、今後の展開次第で意味がまた変わってきそうですね。

 

おっと、前置きのせいで、文字数も多くなってしまいました(苦笑)

初回がそこまで…だったので今後への不安は残りますが、4人の出す答えには興味があります。

人間関係において孤独や生きづらさを抱えながら過ごす人々に焦点を当て、救い上げていく…

「silent」にも通ずるテーマで、

その描写から生まれる温かさが感じられる所が好きだったので、

本作も最後まで見続けると思います。

ただ、感想は…来週から始まる木9がどうなるかかな?

 

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Source: りんころのひとりごと。

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