「あなたの人生は私が作るものじゃない。あなた自身が作るものだから」
航(渡邊圭祐)がせっかく勇気振り絞って告白してくれたのに…
それ、言っちゃうかぁ…(泣)
確かに、彼は”空から降ってきた王子様”でもなければ、
画面の中の推しが現実世界に投影された人物でもない。
あくまでも、自分なりの人生を送る未来ある若者。
限られた生活の中で苦しんできた経験をした彼女だからこそ、
もっと外の世界へ飛び立ってもらいたいという親心が芽生えたんでしょうけどね。
でも、同時にこうも思うんですよ…
相手の気持ちを汲み取らないまま自分の考えを押しつける所は
選択肢の中から1つ選んで思い通りのストーリーを作り上げる
乙女ゲームと一緒なんじゃないかって。
周りに認めてくれる人がいなかったから、自分自身にも得意なイラストにも自信が持てない航と、
ゲームとの出会いで”推し”が生まれ、”推し”の存在に支えられる生活を送ってきた分
生身の人間とどう接したら良いのか自信が持てなくなってしまった泉美はある意味似た者同士。
「言葉の裏側にある本音を知る」の次は
「相手の人生への踏み込み方を知る」の段階に突入しているのはお互い一緒であって、
やっぱり、誰かが一方的に育成するのではなく、育てつつ育てられつつの物語なんですよね。
ただのすれ違いでも、他とは違った焦ったさがこの作品にはあります。
強いて言うなら…度々差し込まれていてずっと気になっていた
航の母が家を出て行ったシーンに行き着くまでの経緯を、
今の航から語られる状況説明台詞だけじゃなくて
回想で深掘りして行って欲しかったかなぁ…?という感じは否めませんが。
どんな絵を出しても褒めていてくれた母の心情、それで得た学生時代の航の幸せ、
父の倒産で一瞬にして打ち砕かれた悲劇…
母と息子の関係性の変化が掴み取れる描写が施されていたら、
イラストコンテストで自分の想いをキャラクターに投影するシーンも
もう少し感情移入出来るものになっていた気がします。
まぁでも、職場内の空気も良ければ、
お仕事パートもちゃんと描かれているので見やすいですね。
次回予告は…何年後とかに飛ぶのかしら?
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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