胸の痛いお話でしたねぇ。
今回は珍しく債務者側に落ち度がないパターンだったんですが、
もし息子が勝手に抵当に入れていなかったら
あの部屋で孫の成長を見守りながらまだまだ暮らせたと思うと…
何だか居た堪れなかったです。
でも、長窪(笠松将)の言葉にもありましたけど、
苦しい顔をしているのはみんな同じなんですよね。
夫婦はやっとの想いで買えた物件で、子供も授かったから、
これから家族を築いていくためにもやっぱり手放す訳にはいかないし。
執行関係者たちも、前回「(プライベートを詮索するのは)執行官の仕事ではない」
みたいな事を言っていたように、常に心を鬼にしないとやっていけない。
みんな、それぞれに生活がある訳で。
息子以外は誰も悪くないし、むしろ佐久山家も被害者の立場だからこそ、
引き渡しの交渉のシーンはヒリヒリした感覚で見続けておりました。
確かに、真面目に生きてきた者が損する世の中にはなりつつあります。
でも、悲しい事ばかりじゃないよ…と示してくれる結末には救われましたね。
真面目に生きてきたという誇りや、孫を親身になって育ててきた思いやりは
長年培っていけば人柄や暮らしに必ず現れるし、誰かにもきっと伝わる。
そして、困っている誰かの支えにもなれる。
大家さんのちょっとしたシーンも活かされていて、
仕事先を紹介してもらえて、新たな生活の糧を得る…
そんな明るい兆しが見えるオチが用意されていたのも良かったです。
前回とはまた違った、苦渋を味わう大人たちへの”労い”が描かれた内容だったと思います。
今回また初めて知る事の出来た競売物件については、
安易に手を出すもんじゃないというのがよ〜く分かりました。
佐久山(でんでん)はたまたま巻き込まれただけですが、
もし申し出をすんなり受け入れてくれない人と相手をするとなると、
執行官の元に何度も出向いてやり取りをするわ、追加費用を払うわ、
引き渡し時に対面して気まずい想いをしなきゃならないわで
精神的にしんどくなる頻度が多そうです。
強いて言うなら、長窪と母親のエピソードは、残念ながらそこまで必要性を感じず…。
ひかり(伊藤沙莉)から語られた事も含めて、
それぞれの苦労を描くためのエピソードだったのかもしれませんが、
途中にあった自分の家庭環境を打ち明けるシーンだけでも十分に成立出来た気はしますね。
大体、入信しているくらいだから、芝居を打ってまで説得しても
何も響かないんじゃないんでしょうか。
っていうか…今回で解決しそうにないのは気のせいですかね?
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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