リバーサルオーケストラ 3話 感想|3話目にして好感度爆上がり

ドラマ

 

 

まだ3話で、演奏シーンも”成長物語”としては序章の段階なのに、

まさかもう胸が熱くなるとは思いもしませんでしたなぁ…。

 

回を重ねるごとに、それぞれのキャラが本当に立ってきているんですよね。

「登場人物が好き」よりかは

「役者さんが演じている登場人物が好き」といった方が近いんでしょうか。

例えば、大好きな音楽を諦めさせないでくれた人を、

今度は自分が…と同じ分だけ”恩返し”しようと行動に移す蒼は、初音(門脇麦)と歳が近く、

真っ直ぐさが滲み出る坂東龍汰さんでなければ成立しないし。

そんな彼を引き止め、発する言葉からは人生経験の豊富さが伺える穂苅は

平田満さんでなければ成立しないし。

マイペースなようで、ふとした時に頼もしさを見せてくれる

気の利いた面も持ち合わせている藤谷は、渋川清彦さんでなければ成立しない。

脚本家の清水友佳子さんの1人1人の個性のつけ方が上手いのはもちろんですが、

その役のイメージにぴったりハマる・馴染みやすい役者さんをキャスティングする事で

相乗効果が生まれて、より魅力的な人物に魅せているんだと思います。

 

人物描写に既に安定感があるから、時折挟まれるコミカルな言葉選びややり取りも

“その人らしさ”を加速させて、ますます面白く感じられますし。

それに加えて…今更ながら、児玉交響楽団の団員とSNS担当となった奏音(恒松祐里)全体の

年代のバランスが、若手・中堅どころ・人生の大先輩で

ちょうど良くまとまっているのも効いています。

年代が違うからこそいろんな考えが生まれる訳で、

若者が自分とは歳の離れた相手の言葉に刺激を受けたり、逆に若者に刺激をもらったりで、

それぞれ影響を与え合いながら”みんなで”オケの立て直しを図っていく様は

見ていてとっても楽しいのです。

 

そして、他に良かったのと言えば…初音の”克服”の描写も挙げられますね。

彼女を取り巻く人物は皆、音楽と、音楽を一緒に作る仲間を愛してやまない

優しい人々なんですが、ただ優しいのではなく、

その根底には、初音も通ってきた挫折や苦悩が含まれています。

この、過去を乗り越えようとしているのは初音だけじゃない…

という描かれ方も、本作の好きな所です。

彼女と同じくブランクの大きい藤谷を始め、

自身のトレーニングにも時間を費やせるようになった蒼や、

姉の様子を一番間近で見届けてきた奏音、1ヶ月間で玉響の成長を実感しつつある朝陽や、

練習に精を見出している団員たちなど、

「再び音楽をやり始めた初音」と関わってからの”経過”の描写を積み重ねた事が、

結果的に視聴者を、まだみんなとは同じステージに立てていない彼女を

自然と応援したい気持ちにさせた…。

こんな感じで、初音の心情変化に無理がなく、

最後の感動シーンに向けてきちんとプロセスを踏む構成になっていたのは、

正直、秀逸だったとしか言いようがありませんでした。

 

「威風堂々」のあの盛り上がる部分に関しては、

本番まであえて引っ張り続ける演出をとっていたのも良かったです。

特に、本番の1個前の練習シーンで、大サビ前のフレーズを何度も弾かせたのなんかは

盛り上げ方が分かっていてズルいなぁ…なんて(笑)

実際、作り手の思惑通り、大サビが聞けた時には本当にグッと来ましたし、

張りのある音だったのもあって、それぞれの”自信”が演奏に現れているようで、

ここでも目頭が熱くなりました。

また、個人的に「いつか触れる時が来るのかな?」と気になっていたコンマスについても、

説明じみた表現ではなく、日常生活でぽろっと生まれたような表現に落とし込まれていたのは

凄いなぁ…とも思わされました。

 

今まで動向がよく掴めなかった三島(永山絢斗)も、

どうやら次回から本格的に物語に絡んでくるようで。

でも…同じく(?)敵側の立場でも、本宮(津田健次郎)の場合は

演奏会で使用する楽器を壊すとか、団員の1人を出られなくするいった陰湿さからは程遠い、

食べ物で釣るという、人間臭くて中々憎めない嫌がらせをしてきたので(笑)

三島の件もきっと大丈夫かなぁ…と信じております。

 

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Source: りんころのひとりごと。

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