春になったら 1話 感想|日常ってそういうもんだ…と思わせてくれるお話。

ドラマ

 

 

奈緒さんと木梨憲武さんのW主演。

キャストが発表されてから、どんな化学反応が生まれるのかと

楽しみに待っていた作品がようやく始まりました。

 

やっぱり、「あ、これは良さげかも」と思わせてくれる作品って、

開始3分で決まってくるもんなんだなぁ…と、本作を見ながら実感しましたね。

というのも、説明台詞を加えなくとも、瞳(奈緒)が産まれた時のホームビデオや

お正月での父・雅彦(木梨憲武)との会話のやり取りを見ただけで、

その人がどんな人で、日頃からどんな暮らしをしていて、どんな家庭環境にあるのかが

すんなりと理解出来たのです。

 

例えば前者の場合だと、母(妻)を撮っていて雅彦は声のみのビデオになっているんですが、

「頑張って!」「何か手伝う事ある!?」などの積極的な声がけが聞こえてくる辺り、

娘が生まれてくる事をずっと心待ちにしていて、

妻をどれだけ大事にしてきたかも伝わってきましたし。

後者の場合だと、郵便配達員がポストに年賀状を1束投函するカットから

恐らく親子ともども人付き合いを長年欠かさずにしている事、

瞳の「今年のは何?」という、毎年違うおせちを取り寄せているかのような発言から

雅彦が太っ腹な性格(楽しみのためなら出費を惜しまない?)である事、

後ろにさり気なく映る仏壇&2人しか映らないシーンから

現在は母親が他界していて、ずっと2人暮らしをし続けている事が読み取れました。

 

最近はタイムパフォーマンス重視の視聴者が増えたからなのか、

登場人物の抱えている感情や、見ただけで何となく分かりそうな状況まで

全て台詞に書き起こしてしまうドラマが増えてきているだけに、

映像を通して初期設定を簡潔にまとめてみせた本作のアバンはかなり貴重だと思わされます。

 

また、雰囲気自体も、全体的に良い塩梅に収まっているんですよねぇ。

重いテーマを扱っているにもかかわらず、時々流れる軽やかなピアノ調だったり、

ちょっとノリの良い劇伴が物語の引き立て役程度に優しく流れているためか、

不思議と心地良さを覚えて、2人の日常をいつまでも見ていたい気持ちにさせられるんです。

で、その代わりに、映画のような質感の映像で調整を…って所でしょうか。

とりあえず、設定が設定なので今後は辛い展開も待ち構えているとは言え、

お涙頂戴のアイテムにされやすい「病気」「余命」が、

基本的にはほのぼのとしたトーンで描かれていきそうなのには安心しました。

 

脚本面で言えば…父の余命を聞かされてもなお、

その日のうちに助産師として出産に立ち会わなければならない、

いつもの自分に戻らなければならない一連の描写に最も”日常”を感じさせましたね。

そう…ガンだと発覚してからの残り3ヶ月だって、

決して悲しみに暮れる日々ばかりではないはずで。

毎日変わらず仕事はするし、笑い合う日もあるし、ケンカする日もあったりする。

いろんな感情や出来事が散りばめられて出来上がる…日常ってそういうもんなんだろうと、

2人の関係性からもふと考えさせられる初回だったと思います。

 

役者としての木梨憲武さんは、wikipediaで過去の出演作を調べてみたら

世にも奇妙な物語」の「思い出を売る男」で当時お見かけしたっぽい。

切ないラストだった記憶はあるけれど…

どちらかと言うと、某有名アニメ映画のマーリンの方が頭に焼き付いてますね。

なので、連続ドラマで存分に木梨さんの演技を見られる所にかなり新鮮味を感じてますし、

そもそも芸人さんがドラマ出演となるとチョイ役か犯人役が多いだけに、

大御所芸人が主演を…って所も、物珍しさでついつい惹かれてしまいます。

 

声が大きいなぁと思っていたら、実演販売者だと知って合点が行きますし、

ナンバーワンなのもご本人にぴったりで!

オリジナルドラマならではの良さも出ていて、瞳との「お父さんにお笑い分かるの?」

「分かるよ!」の会話には特に笑かされました。(そりゃ大御所ですから!なんてw)

脚本家の福田靖さん…木梨さんを起用して、どんな台詞を言ってもらおうか考えるのが

楽しみでしょうがなかったんだろうなぁ…というのが話の節々から伝わってきて、

私も次、雅彦が何て言うのかワクワクさせられっぱなしでしたし。

そんなひょうきんさだけでなく、ほんの哀愁も滲ませていて、

とても魅力的なキャラクターに映りました。

 

対する奈緒さんは、「ファーストペンギン!」の初回のラストでもあったように、

ふつふつと込み上げてきた感情を爆発させる演技を得意とする女優さんなので、

めちゃくちゃ泣いて笑って、気持ちが揺さぶられる作品になりそうな気がしております。

これも、今後に期待出来そうですね。

 

それにしても…先週の月9の感想でも、重たいテーマ被りについて書きましたけど、

フジテレビとカンテレで会議とかってしないもんなんでしょうかね?(苦笑)

カンテレプライム枠は1枠だけだから…枠をいっぱい持っているフジテレビ側が

調整すべきだと思うんですけどねぇ。うーん。

(※ちなみに…月9の感想は辞める事にしました。月10を優先します!)

 

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Source: りんころのひとりごと。

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