1話でも、主人公が島を受け入れていくまでの変化だけでなく、
後半でメイン回として取り上げられそうな浩志(綱啓永)の
過去や”気づき”を盛り込んでいた時点で、うっすら感じていましたが…
本作って、話の展開が早いですよね。
次回予告も含めて、何となく、7話くらいまでの話を
ぎゅっと凝縮しているような感覚を受けます。
原作は今年の5月から、期間限定で連載が復活しているらしいのですが、
5年前に18巻で一旦ピリオドを打っているので、
もしかしたら、取捨選択しつつも
全10〜11話でほぼ全部を描き切ろうとしているのかもしれません(原作は未読)。
なぜ冒頭でこんな事を書いたのか?というのは、今回の内容にありまして。
今回は、ライバルの神崎(荒木飛羽)と川藤(中尾明慶)が島にやってきて
清舟(杉野遥亮)を東京に戻るよう説得するエピソードがメインで描かれて、
落ちてきた紙飛行機から、前回のヤスバァ(鷲尾真知子)の言葉
「そん時はな、どうぞお先に」を思い出し、実践する事自体は良かったんですが…
個人的には、前回からの今回ではなく、何話か後に回した上で
この話を見てみたかったかなぁと思えてしまったのです。
回想を交えながら、主人公が誰かの言葉をふと思い出すくだりって、
少し時間を置いてから出した方が
視聴者は「そう言えば、こんなエピソードもあったなぁ」って懐かしめただろうし、
時を経ての主人公の成長もより実感出来て、
連続ドラマならではの醍醐味が味わえたはずなんですね。
それに、島に来てからの作品が何作も生まれて、住民たちを徐々に味方につけてきた所で、
頭ごなしに自分の作風を否定する者が現れる…という流れの中で描かれていれば、
自分なりのスタイルへの迷いや葛藤も、見応えのあるものになったんじゃないかな?とも。
そして前回では、いろんなネタを扱っては1つの結末へと綺麗に結びつけた脚本に
工夫を感じられただけに、今回は前半部分のテンポがややスローリーなのは否めず…。
(調べてみたら、1,2話とは違う脚本家が担当されてました。)
住民たちを続々登場させての作戦エピソードも、それはそれでほっこりさせられましたが、
今回のテーマ「芸術には正解がない(だから冒険したって良い)」の1つの象徴とも言える
珠子(近藤華)の漫画を、もっとメインに絡めてもアリな気がしました。
誰かに後押しされたくて、勇気を出して漫画を持って行ったのに、
BLだと勘違いする瞬間を見てしまって以降、
なぜか一切触れられる事なく終わってしまいましたからね。
書道とはまた1つ違う表現方法だからこそ、描きようによっては、
漫画を読んだ清舟にヒントを出し、刺激を与えさせる
“重要アイテム”になったのでは…と思うと、ここの落とし所はちょっと勿体なかったです。
まぁ、漫画を読んでもらうシーンは次回で描かれるんでしょうけども。
ただ、最後は印象に残った箇所を書くとするなら…
なる(宮崎莉里沙)の存在が良いアクセントになっていましたね。
子供が故の至らない部分はあれど、紙飛行機を飛ばしたり、ユニークな釣り針を作ったりと、
大人なら中々そんな発想には辿り着かないような柔軟さを見せていて、
今の清舟にとって彼女がいかに必要な存在か?というのをきっちり描き示していたと思います。
また、紙飛行機のシーンの時にかかった劇伴も、そのタイミングもドンピシャでした。
視界が一気に開けるような感覚を、清舟と同じく味わう事が出来ました。
今回は思う所あり、いろいろとツッコんでしまいましたが、
やはり本作の世界観やキャラクターが大好きなのには変わりないんですよね…。
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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