今回の債務者には、ちょっと同情してしまいたくなる…
というか、切ない気持ちにさせられましたね。
同じ「同情させる話」でも、1話の二川家はやり直せるチャンスはいくらでもあったのに
口だけで行動に移さなかったり、2話のEXTuberは自業自得案件なのに
急に繊細で寂しがり屋の人の印象を持たせてきたりで
疑問に感じる事が多かったのですが、
今回に関しては、重い運命を若い頃から背負わされてしまっているのが大きかったです。
本作では高橋光臣さんが演じられていて、
年齢的に恐らく30代後半〜40代前半で設定されていたと想定しますが、
高齢者が家賃滞納で部屋をゴミ屋敷化してしまうニュースはよく見聞きしますし、
実際に部屋に立ち入ってみたら、既に亡くなっていた…という話があってもおかしくありません。
だけど、矢上(高橋光臣)の場合は、ゴミ屋敷はゴミ屋敷でも
袋にまとめて縛った上で部屋に残していたし、飼っていた猫の毛並も綺麗に見えて。
その2点から、絶望は感じつつも、
少なからず、生きる事はまだ諦めてはいないのだろうとは察せられました。
重い運命を…に加えて、こういった”日常の片鱗”が描かれた事が、
今回の感情移入に繋がったんだと思います。
内容で言えば…今までとは違い、前半は工事費未払いによるパチンコ店への執行、
後半は公団住宅の賃料不払いによる部屋の明け渡しと動産執行の
二部構成になっていました。
2つのエピソードを用意する事で生まれる
ドラマあるあるの”関連性”が後に出て来るかと思いきや、
前半パートが尺埋め的な扱いで終わってしまったのは残念でしたし、
売上は順調でも工事費を支払おうとしない理由も明かされなかった(自転車操業?)ので
多少の消化不良感は残りましたが(汗)
ただ、全体を通して見れば、第一章として綺麗にまとまった話になっていた気がします。
1話で取り扱った家賃滞納を、3話という短いスパンで再び取り扱う事で、
最初は執行官に対して「泥棒」「犯罪者」という凝り固まったイメージを持っていたのが、
執行補助者として仕事に携わっていく上で「ざわざわする」気持ちが芽生えるようになった
ひかり(伊藤沙莉)の変化を描く。
そして、元々は犬が苦手な小原(織田裕二)の護衛のつもりで働いていたものの、
今回の仕事は犬とはあまり関係がなくなってきた所も、また”狙い”ではあるんでしょうね。
「執行官ならではの苦悩」を存分に提示してきた3話分。
ひかりは小原の考え方に刺激を受け、
「人生をリスタートをしてもらうための職業」だと前向きに捉える事が出来たし、
小原は執行官でありながら、案外私たちと同じ
繊細さを持ち合わせた人間なのだというのがよく分かりました。
来週はお休みを挟んでしまいますが、逆に良いタイミングだったと思います。
放送スケジュールを事前に把握した上でのプロットなのかも…という綿密さも感じさせますね。
お互いのキャラクターをはっきり描き分けた所での休止なので一区切り感が際立ちますし、
これから本当の意味での”コンビ”になっていくんじゃないかと、
そんな期待すら抱かせてくれた〆でした。
次回はゲストがゲストなのもあって、よりバラエティに富んだ話になりそうで楽しみです。
ところで…ここまで脇役的な立ち回りだった栗橋(中島健人)は、
今後ラブコメ要員になっていくんでしょうかね?
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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