まず…若手俳優陣のなりきり具合は凄かったですね。
各々ドラマや映画に引っ張りだこなのも頷ける演技で、見ていて圧倒されるようでした。
目黒蓮さんは私が見てきた作品だと、ここまで「教場Ⅱ」「消えた初恋」「silent」
「舞いあがれ!」で寡黙かつ誠実寄りの役が続いたので、
本作はそれらとは真逆の役で上手くハマるのかな…?というの気がかりでしたし、
佐野勇斗さんも、同じく企業を扱った作品なら、
起業してブイブイ言わせている側のイメージが先行します。
そして、今田美桜さんが社長役はまだ若過ぎるんじゃないか…(失礼)と
視聴前はいろいろと不安要素はあったのですが。
いざ蓋を開けてみれば、今まで演じられてきた役の面影をかき消すくらい、
初回でもうキャラクターを定着させてきたのには意外に感じましたね。
そんな訳で、役者さんの演技ややり取りを楽しむには、申し分ない作りだとは思います。
そこから溢れ出る”勢い”に、身を任せて見てみるのが本作の良さなのかもしれません。
ただ…”ドラマ”は「役者さんの演技」よりも「内容」を重視したいというのが
私の考えではありますし、
一種のサクセスストーリーであれば尚更、どうやって突破口を見つけ出したのか?
なぜトップに上り詰める事が出来たのか?といった描写過程が大事になり、
物語に説得力が生まれるとも考えています。
その点を踏まえて、初回の印象を正直に書いてみるなら…
後半の展開を中心に置いてけぼりを食らう部分が多々あって、
話についていけないのが残念でした……(泣)
これは恐らく、脚本と演出どちらにも原因があると思うんですね。
脚本で言えば、諸々の流れは原作に忠実なんでしょうけど、
ハル(目黒蓮)の考えた作戦にもう少し理屈を持たせて欲しかったですし、
あの大会も、何が良くて何がダメなのか、
そもそも得点を奪うためだったら何でもアリなのか、
ルールを事前にきっちり定めた上で物語を進めて欲しかったです。
例えば…ハルが電波障害を起こしていると分かった時点で
失格扱いで警備員に追い出されているはずなのに、ゲーム終了まで放置して、
2人の優勝が決まった途端「不正を働いていたから」とリークして取り消すのは
今更?って感じでしたし。
ルールはあっても、禁止事項が何なのかが明確化されていないから、
ギリギリの範疇でズルをしていく所に緊迫感がイマイチ伝わって来ないんです。
そして、話のスピードが早いためか、作戦が全体的にぼんやり。
一応”種明かし”の描写はされていましたが、倒叙トリックみたいに、
先にハルの際どい行為をとことん見せてから、時間巻き戻し演出や回想などで
その場その場の行為の意図を解説していく形式だったら、
彼の破天荒さもより魅力的に映って、今後の躍進に興味も持てた気がします。
で…演出は演出で、主人公をかっこよく魅せるのに力を入れ過ぎていて
なんか勿体ないなぁ…と。
冒頭のシーンの、影の方向はさておき(苦笑)
漫画の世界観に負けじと、合成を使って大迫力を生み出そうとしているのは分かるんですが、
それはあくまでも”飾りつけ”であって、肝心の本筋の演出は至って普通なんですよね。
大会のエピソードをまた蒸し返しますが…あんまり上手くは言えませんが、
「ガク(佐野勇斗)vs参加チーム」の構図にして
両者の強張った表情をアップの映像で交互に映してみるとか、
(これはベタではあるものの)制限時間のボードを画面いっぱいに映して、
途中からは得点の推移を隠した上で、時間ギリギリの所でCMに直行させるとか、
ハラハラさせる方法はもっと他にあったはずなんです。
あれだと、ただハルがはしゃいでいるだけにしか見えず…(汗)
とんでもない事をやっているんだというのが画面からも感じられるように、
いろいろと工夫していただきたいな…と思ってしまいました。
冒頭でも書いた通り、役者さんは良いですが、
話には乗り切れていないので、感想はどうしようかなぁって感じですね。
金曜日(と土曜日)のドラマ、ここ最近は書こう書こうと思っていても
途中で諦めてしまいがちなので、今度こそは…のつもりでいたんですけど、
次回の内容次第では視聴のみに切り替えるかもしれません。
その代わり、まだ初回も未視聴の某深夜ドラマの感想に取り掛かろうかな…?とか。
まぁ、しばらく様子見してみます。
ところで…井田くん×橋本さん、柏木学生×大河内教官、久堂清霞×斎森美世で
キャストの再共演率が高過ぎじゃないですか?(笑)
感想を書こうとして上のポスタービジュアルを貼り付けた際、
5人のうち3人は目黒さんと共演した事のある役者さんで改めてびっくりしましたよw
Source: りんころのひとりごと。
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