罠の戦争 11話(最終回) 感想|竹の花は枯れて終わりではなかった

ドラマ

 

 

仲間を次々と失う享(草彅剛)の孤独が描かれた前半と、

泰生(白鳥晴都)の発していた言葉や

今でも父の教えを守っている様子を目の当たりにしたのを機に、

自身のこれまでの過ちと向き合い覚醒する姿が描かれた後半で、

ある意味2部構成になっていた最終回。

この構成が、最終回を上手く盛り上げてくれていたんじゃないでしょうか。

奥底に眠っていた良心を取り戻し、原点回帰していく…

思わず「あの頃の享が帰ってきた!」と喜びたくなるような、

高揚感溢れる内容に仕上がっていました。

 

ただ、闇堕ちするにしても、目を覚ますにしても駆け足気味で、

そうなるまでの”間”の描写が不足している所だけが、本当に勿体なかったなぁとも思います。

前回の感想と似たような事を書きますが…例えば、復讐計画の実行と並行しつつ、

本来の政治活動を通して権力で人を助ける事のやり甲斐を感じる様子に尺を割いていれば、

鶴巻(岸部一徳)の「気持ち良いだろう」という言葉の持つ

おぞましさも増したのかもしれませんし。

目を覚ます過程も、妻から聞かされた息子の言葉で急にハッとさせられる…というよりかは、

ターゲットを潰すごとに仲間を徐々に失っていき、妻ともとうとう家を出て行かれ、

このまま「上へ上へ」志向を変えずに進むべきか?

それとも後悔する前に一旦立ち止まるべきなのか?と葛藤する享の心境に

焦点を当ててみてもアリだったのかもしれません。

まぁ何にせよ、8話からの話の進め方にムラがあった…そこに尽きますね。

 

他にも、そんなに上手く行くもんなの!?という描写も

多い気はしましたが(笑)←今回で言えば、2人ともよく当選出来たね…とか

でも、善から悪、「当初の顔つきに戻りかけ」など

様々な表情を見せて下さった草彅剛さんの演技を筆頭に、

毎回挟み込まれる眞人(杉野遥亮)の植物うんちくが物語のアクセントになっていたり、

それぞれで複雑な心情を見せる登場人物の奥行きだったり、

政治の闇と、それに飲み込まれそうになる様を引き立たせるライティングだったり。

諸々のセンスの良さが、本作の持つ魅力に繋がる作品だったと思っています。

 

最後に…犬飼(本田博太郎)の久々の登場は嬉しかったですねぇ。

出番があるだけでなく、(恐らく)台本にわざわざ「わしづぅ」と書かれていた辺り、

想像以上に好評で、急遽最終回も出演する事になったのかもしれませんねw

前作同様、主人公を固める人物たちにもきちんと見せ場が用意されている所も好きでした。

役者さんも含めて、毎話毎話キャラに愛着を持ちながら見ておりました!

 

↓前回の感想はこちら↓

 

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Source: りんころのひとりごと。

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