皐月(杉咲花)と陸(藤原季節)、それぞれが身を置く”息の詰まる”環境を
じわじわと掘り起こし、展開していった今回。
どちらにも襲いかかってくる「結婚すべき問題」や、
皐月にまとわりつく束縛しい幼馴染み・剛(寛一郎)の存在…
陸と父・朔治(矢島健一)との間にある確執に、
やっぱり諦めきれない白石(森山未來)への想い…
しまいには職場でのプロジェクトの存続危機と
とにかくトラブルが山積みな内容だっただけに、
どこにも逃げ場がない苦しみを、2人の視点で味わうような感覚で
ついつい見てしまっていた自分がいました。
いやぁ…あっという間でしたねぇ。
白石が突如海外へと消えてしまったのが7年前。
そして、父が息子と勘当すると決めたのも7年前。
人生のターニングポイントと思われるその”7年前”に何が起きて、
何が決め手となって親子関係が悪化したのかの詳細は明かされませんでしたが…
少なからず分かるのは、お互い愛し合っていたと感じ取れる陸の白石へ向ける言葉を聞く限り、
父が2人を引き裂く行為をしたんじゃないかという事。
そこには、前回の皐月の母(若村麻由美)が抱えていた
「嘘をつかれた」「裏切られた」気持ちもきっと含まれていたのかもしれません。
前回に引き続き、今回も”すれ違う”親子の話…
うーん…親側が悪とは言い切れないし、どちらも想いは共感出来る部分があるだけに、切ないです。
それにしても、陸と白石、
1話の皐月の父・耕太郎(吉田栄作)と水川(岡田義徳)の関係性と言い、
内容を見ればジェンダーを取り扱っていると分かるものの、
この2組に対して「LBGT」などのストレートな言葉を一切使わず、
あくまでも”1つの人間関係”として描写している所に好感が持てるんですよね。
そして、人生の形は様々だと思いますが、親から「結婚はどうするの?」と聞かれるのは
大人になったらほとんどが経験している事でしょう。
“ある人たちの話”ではなく、誰にも通じそうな”普通”になるべく落とし込むように、
幸せとは何なのか…というテーマに自然に向き合わせるように、
そんな配慮の込められた作りになっていると思います。
脚本家の件もあって、初回だけだと不安でしたが(苦笑)
本題に入るとさすがのNHKクオリティといった所で、しばらくは安心して見られそうです。
某火曜ドラマだとお馴染みの(個人的印象)偽装結婚も、
本作の場合は、多少の差はあるにしろ、
お互いが既に”好き”な状態から始まっているので何だか新鮮ですね。
幸せとは何なのか…だから、
固定観念に囚われない、新たな”幸せ”の形を提示するオチにもなってくるのかも?
そうなると、「プリズム=多面体」って事を考えると、
3人で過ごす線もあるのかもしれないなぁ…と考えております。
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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