血の轍126話のネタバレを含む考察と感想になります。
※本編ネタバレを含む場合がありますのでご注意下さい。
ママを殴って、それで贖罪としようとしたのか。
しかし何をしたのか記憶のない老婆。
要するに完全なる弱者。
そんな人間を殴ったところでどうにもなりません。
永遠に塞がれた罪に対して静一が何を思ったのでしょうか。
ずっと苦しむ静一
ママに捨てられて、ずっと苦しみ続けた静一。
いやママに捨てられる前から苦しんでいました。
強権で操作してきた訳でもなく、ジョージ・オーウェルの一九八四年に出てくるような監視社会のビッグブラザーのような存在でもありません。
ずっと静一の内部にあり、どうすればいいのか分からない大きな見えないコブのようなママの存在。
そこに拳を握って暴力によっての贖罪を求める気持ちが芽生えました。
ただ相手は記憶も何もない老婆。
弱い存在。
そんなものを殴ったところで静一の気が晴れる訳でもなければ、ましてママの罪が消える訳でもありません。
ころしての懇願
ママは謝り、ころしてと懇願しました。
本当にか弱き少女のような姿に見えている静一。
死ぬなら自分で死ねと言う静一を見つめる幼き少女となったママ。
もう静一に今のママに対して何かを求める気持ちは失われてしまったでしょう。
出来ることなら謝罪をして欲しかった。
もしくはママが後悔していればとでも思ったでしょうか。
真逆で完全に静一を捨てて新しい人生を歩んでいればよかったのか。
どれも正解ではなく、静一としても理解不能な気持ちが渦巻いている気がしてなりません。
落とし所が無くなったといえます。
結果的に部屋を出ていった静一。
扉を締める直前には老婆の姿がしっかりと映っていました。
それは静一が今の現状、本当のママを正確に捉えたことを意味します。
これで親子関係が完全に終わり、静一としての本当の人生が始まるのかもしれません。
血の轍というのだから
血の轍というくらいなので、仮にここで親子関係が終わったとしても血脈として受け継がれる。
そんな意味なのでしょうか。
次に静一が自らの人生を取り戻して、家族を作っていくような展開になるとも考えられます。
勿論そうではなく、まだこの老婆として認識した新たなママに対して、新しいママとの繋がり方を覚えていくという展開もあるでしょう。
それがハッピーエンドになるのか、それとも血みどろのバッドエンドになるのかは分かりません。
ただこの中年静一からが本章であるのなら、これからの静一の生活、行動こそが『血の轍』になっていくのではと思えます。
ママと同じ血を受け継いだ静一。
どんな人間になっていくのでしょうか。
次回、血の轍127話はスペリオール17号に掲載されます、お見逃しなく!
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Source: マンガ好き.com
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