登場人物や主に活躍する舞台、モチーフと、あの手この手で内容を変えてはいるけれども、
根本的な所は前回と同じで、「温人が警察を出し抜く」「最後に種明かしをする」で
展開していく話ではある。
でも…「流れが一緒じゃん」とは思わないのは、
今回の場合、各々の登場人物を連想させる
カエルのキャラクターが映った画面を合間合間に挿入したり、
一瞬鈍器で殴られたかのような(?)
ドキッとするメッセージの通知音で緊迫感を煽ったりするなどして、
ゲームを取り入れた事で画面にリズムを加えているから
マンネリ化を感じさせないんだろうなぁ…と。
そして、今回で特に見所だったのは、
大人になるにつれて視野が狭くなりがちが故の”一方的な価値観”が
娘を助ける側・温人(二宮和也)と犯人を捕まえたい側・葛城(玉木宏)の2人で
ぶつかり合っていた終盤のシーン。
どっちも一理ある事にはある。
でも、温人は「あんたたちは犯人が捕まえられればそれで良いんだろ」と言っていたけれども、
自分は娘が救えればそれで良いというのも勝手だし、
本当に身代金目当ての誘拐なら相手は誰でも良く、
また再犯する、娘もまた狙われる可能性もある訳で。
葛城の立場からしたら、自分たちの捜査の詰めの甘さを他所に、
科捜研と連携するなどして今までの経緯から犯人を割り出す発想もしなかったまま
被害者家族を責めるのも少し違う。
何に重点を置いているか…何を正義だとみなしているか。
パニック状態に陥った時、達成出来たものが出来なかった大きな損失を覚えた時に出てくる
人間の本性が噓偽りなく滲み出た点で、
本作のうたう「様々な感情や人間模様を描く」を体現した内容だったように思います。
まぁ、よくよく考えてみたら、本来捜査能力や追跡能力がない”一般人”であるにもかかわらず
自分たちの力を過信し過ぎている所や、
誘拐犯が取引に応じてくれるのが前提で交渉を進めている所など、
リアリティよりもファンタジーの印象が強い事には強いですが。
「ドラマだから」と割り切れる程度のものではあるし、
それとは違う良さや構成の工夫が伝わってくるので
個人的にはそこまで気にしてはいません(気にし過ぎない事も大切なので…)。
むしろ、前回の感想でも書いたように、
山場なのを良い事に、劇伴や主題歌の音量を大きくしては
「今盛り上げてます!」感満載の、仰々しい音効を何とかして欲しいです(苦笑)
案の定、誘拐事件は一旦解決。
で…娘が家を出て行く事になったきっかけに気づけなかった上に、
犯人を逃したのを後悔する”真相編”スタートって所でしょうか。
真犯人が捕まえられなかった誘拐事件を引っ張れば引っ張るほど、
本題からはズレていきそうな不安はまだ残っていますが、
ここまで飽きさせない展開だったとなると、僅かに期待しても良いのかなぁと。
どうか「今回が最終回の方がまだスッキリ出来た」なんて結末にはなりませんように…!
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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