今回のOPのナレーションは日本語。
使われるとしたら最終回だと思っていたので
なぜ8話で?とちょっと意外に感じていたら、
旦那がハプニングバーにいるんじゃないかと推測した白木(高畑淳子)の怒りを
時代劇風にコミカルに演出するためっていうのもあるけれど(笑)
今回描かれた事件で、あぁなるほど…と納得。
「様々な事情を抱えた人が雑多にやってくる歌舞伎町」を表現するためか、
毎回異なる言語でその街が紹介されてきた訳ですが、
あえてこのタイミングで日本語にした事で、本作はあくまでもフィクションだけど
2024年の、現在の日本と地続きなのである…というのをさらに印象付けていたように思います。
それにしても、今回起こった火災事件とその実態はより一層リアリティがあって、
どうしたってあの某制作会社の事件を彷彿とせずにはいられませんでしたね。
本作の場合は雑居ビルですし、犯人特定までの流れも一捻りあったんですが。
犯人が重傷で優先的に治療されるというシチュエーションと、
犯行動機が「むしゃくしゃしていた。誰でも良かった。死刑になりたかった。」となるとね…
重なってしまう訳ですよ。
生配信を意味深な様子で見ていたシーンから、
アイドルに付き纏っていた後藤(北野秀気)が逆上して
雑居ビル爆破を実行したんじゃないかと思い込んでいたので、改心していたと分かって安心。
(↑赤いミサンガをつけていたから余計に…宮藤さん、確か朝ドラをご覧になっていたようなw)
別の人となると、じゃあ、ひょっとして白木の旦那なの…?と一瞬過ぎりもしたけれど、
爆破事件に関わっていなければ、無事に戻ってきてそこもまた安心しました。
惨たらしい事件描写の中で、自身がかえで(田中美久)に対して歪んだ感情を抱えていた事、
それで彼女を不安にさせていた事を反省し、
かえでも彼の誠実な態度を受け、心曇りなく卒業出来て
お互い円満な形で区切りをつけられたという所が、
唯一のファンタジー要素であり、救いになっていたのかなと思います。
でも、その後が良い方向に向かうかどうかは…。
もしかしたらかえでが、今回の事件の事でフラッシュバックを起こして
芸能活動を休止する可能性だってあるかもしれないですし、
後藤は犯人ではなかったものの、世間からは「ストーカー」として認識されたまま。
2人の今後は大丈夫だろうかと、気になってしまうのでした。
火災シーンや爆破シーンの映像は一切差し込まれませんでしたが、
それでもかなり緊張感がありましたね。
山とか、海とか、トンネルとか、そんな大規模な舞台を取り入れなくても惨事は伝えられる
というのが証明された展開・見せ方でした。
…大事故に見せようとしてCGを取り入れたら、
かえって安っぽくなるケースもありますしね(苦笑)
事件が起こった日の流れを表す時刻の演出と、
「事件の関係者(被害者・加害者)」に誠心誠意向き合う医者と警察の動向に絞って
描かれていた事が、ドキュメント映像かのような見応えに繋がったのではないでしょうか。
そして、肝心の焼けたビルの映像は、ラストにさらっと映して終わりなのは
視聴者への配慮を感じさせると同時に、
南(橋本愛)の「誰でも安心して遊べる、健全かつ衛生的な、若者の街」のナレーションに合わせて映された事から、
そう信じている裏で危険が潜んでいるかもしれないよ?という皮肉も感じさせました。
「I’m doctor! 被害者だろうが加害者だろうが人殺しだろうが絶対殺さん!」
「ずーっと交代で見てたんだ。ド素人はすっこんでろ!」
いやはや…ヨウコ(小池栄子)も啓介(柄本明)もかっこよかったなぁ。
特にヨウコの言葉に関しては、いつもそうですが、決め台詞っぽい演出を入れず「これが私のやり方ですが何か?」と言わんばかりにナチュラルに魅せているのが最高なんですよね。
医者としての矜持をしっかり持っていて、それを相手に声を大にして伝える所なんかは、”親子”だな…と思わされるのでした。
Source: りんころのひとりごと。
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