諭(仲野太賀)は本当に、良くも悪くものめり込みやすい性格なんですよねぇ。
彼の迂闊さに「バカよのぅ…」と何度思った事か(笑)
一旦1人にさせてあげれば良いものを、傷口に塩を塗るような発言を次々投げかけるから
あんなにブチ切れてしまう訳で。
第三者で”フィクション”を見ている立場だからなんでしょうけど、
伊藤沙莉さんの感情をむき出しにする演技が強まれば強まるほど、
何だかクスッとさせられてしまいました。
「クッソ クッソ」からのメガトンパンチ…最高!w
しかし、それ以前に、炎が燃え上がんばかりの怒りを見せる結(伊藤沙莉)と冷凍餃子で
対比させている所が地味に面白かったです。
カッチコチだった冷凍餃子に、結の怒りが徐々に乗り移って火が通り…
でも、相手にはストレートに接する事が出来ても、
物に当たる行為をあまりしてこなかったが故に、調整の仕方が分からず
なぜか炒め物のように扱ったり、大量の煙を出したりするって流れに
彼女の人柄や今の心境が表れ出ているというのか。
食べたくてやったんじゃないんだけど、手を動かして気を紛らわしたくてしょうがない。
どんな人でも一度はそんな経験があるだろう…と思わせる
リアルさが窺えるシーンでもありました。
前半こそ「のめり込みやすい」性格の短所が強調され、
最低最低最低の積み重ねで展開されていったのですが、
その積み重ねがあったお陰で、レンタルショップでの
「今までの恩恵にきちんと感謝する」諭の誠実さが際立ったような気がします。
なんか…結婚式場かと一瞬錯覚してしまいましたね。
山下(安藤玉恵)が神父さんみたい。
「従業員としてここに来るのは今日で最後だ。俳優一本でやってけ!」という山下の言葉は、
「病める時も、健やかなる時も…(中略)真心を尽くす事を誓いますか?」という
式でのお決まりの言葉と近しいものを感じさせてくれました。
諭、本当に素敵な上司を持ちましたねぇ…。
大成するには、運や実力だけではどうにもならない時もある。
同局でつい最近まで放送されていた「一橋桐子の犯罪日記」でもそうでしたが、
幸福な人生は、いろんな人との出会いや人の繋がりがあってこそなのだと
しみじみ思わされる作品です。
もし飛行機のチケットを拾わなかったら、事務所で雇ってもらえなかったら、
レンタルショップで働いていなかったら、
そこで同じく夢を目指す仲間や結に出会えていなかったら…
役者道を歩む事を諦め、とっくに兵庫に戻っていたかもしれない。
今回の内容は、人生を歩んでいく中で生まれる”ドラマ”を
地道にコツコツ描き上げてきた賜物だと言っても過言ではありませんでした。
次回ではそんな”拾われてきた”諭が、
武志(草彅剛)を”拾いに行く”側に回るようですね。
平行線で描かれてきた兄弟のエピソードが、いよいよ交わろうとしています。
こちらも楽しみです。
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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