ほぉ〜…女性執行官って、今年の4月に採用されるまで1人もいなかったんですね。
これはかなり初耳。
と同時に、だからか〜と納得している自分もいます。
この「だからか〜」は以前、執行官と犬の関係性、そして犬を扱う必要性が
明かされた時にも感じた事でした。
今回で言えば、執行関係者のキャストでひかり(伊藤沙莉)だけが紅一点の状態になっていたり、
「おっさんパラダイス」というワードを出したりしながら、今までいろんな形で
執行官の世界に若い女性が飛び込んでくる”違和感”を強調してきた訳ですが、
見ていくうちに「なんでこんなに、おじさんばっかりなんだろう…?」という
視聴者の漠然とした疑問に触れる話になっていたのです。
からくりが上手いなぁと思います。
有益な情報をすぐ明かすのではなく、
視聴者に良い意味でモヤモヤを覚えさせた段階で明かす事でスッキリさせる手法は、
ちょっとした謎解きっぽさもあるんですよね。
前期の知的財産と言い、本作の執行官と言い、
ドラマではあまり描かれる事のない職業を題材とした作品の何に期待しているかって、
業界の裏事情にどこまで踏み込んで、どこまで”エンタメ”に昇華出来るのか?
という所にあるんですが、今回は主に前者の方でその良さを味わえた気がします。
ただ、勿体ないと感じたのは、債務者・佳菜江(さとうほなみ)の描写で…。
彼女は、夫が育児を放棄していたが故に、育児ノイローゼになりかけ離婚し、
シングルマザーとして娘2人を育てながらも
借金に手を出してしまう人物として描かれていました。
先ほどの女性執行官がいない(いなかった)件はただの豆知識で済ませず、
「まだまだ男女平等になり切れていない現実の中で、女性が抱える”生きづらさ”」で
メインエピソードとも繋がりを持たせていたのは良かったのですが、
だからこそ、もっと同情出来るようなキャラにして欲しかったなぁ…
と思えてなりませんでしたね。
頼れる人が周りにいない。気軽にお金が借りられる世の中になっている。
普通の暮らしをしている人でも、ふとした事で債務者になる可能性は十分に秘めている。
それは分かるんですけど…恐らく、最初にひかりと小原(織田裕二)で訪問したシーンで、
悲観的な劇伴を流しつつ、泣き落としにかかろうとしたからなんだと思います。
他にも、借金をしては踏み倒す原因を元夫や子供のせいにしたり、
つけているネックレスや指輪がそれなりに高そうに見えたり、
佳菜江の言動がほとんど嘘だったり(だからか、終盤での本音もイマイチ信じられない…)、
「小原の好みの顔」だったり…何と言うか、”魔性の女”に描き過ぎでした。
泣きそうな表情を見せるのであれば、
例えば、2人が去った後で抑えていた感情が緩み始める…とした方が、
二面性を感じさせて、視聴者も彼女の訳ありな過去を知ろうとする気になったかもしれませんね。
あとは、お仕事をみんなより早めに切り上げてのお迎えや、仕事と子育ての両立などで
シングルマザーが苦労している日常シーンも盛り込むとか。
ガツンと言ってくれる人物もいなかったのでねぇ…
テーマの見せ方が上手かったのは確かですが、
正直、今までの中で一番と言っても良いほど、不完全燃焼で終わった回でもありましたね。
前回に引き続き、メインエピソードに犬が絡んでこないので、
ひかり本人がとうとう「どうも。犬は関係ないんですけど…。」と言及してきましたね。
そこはメタ発言っぽくて、クスッとさせられましたが(笑)
次回は上野原(板谷由夏)が再登場するだけに、再び犬が絡むお話になりそうです。
物語も後半戦に突入…そろそろ、結末含めて心から満足出来る回が欲しい所です。
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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