こっち向いてよ向井くん 1話 感想|何となくの幸せも大事だと思うけど。

ドラマ

 

 

えんらいマッタリしてるなぁ…というのが第一の感想。

 

初回を見る限り、どうやら本作は、恋愛観の分かっていない男性が

恋愛を熟知している女性に指南され、成長していく物語らしく。

でも…”恋バナ”で男性が主人公になる所は斬新でも、

根本的な内容は今までのその手の作品と特に代わり映えはしないし、

「誰かが誰かを指南する」の構図自体も、男女逆転させているだけでこれまた一緒で、

あの手この手で形を変えて生まれた作品をここ数年で何度も見てきた訳なんですね。

 

じゃあ、設定や内容に既視感を覚えるなら、

キレ味の鋭い演出や、痛快なやりとりで楽しめたら良いかな?と思っていたんですが、

残念ながら、さら〜っと見終える事となってしまいました…。

 

はっきり言ってしまうと、話のテンポがとにかく悪かったんですよね。

劇伴は、カフェで流れてそうな洒落たBGMがずっと流れていると思えるくらい

似通った曲調が続く上に、かかるタイミングにもメリハリがないから

単調な印象を受けてしまいますし。

演出もその単調さに拍車をかけていて、前半は向井視点、

後半は片想い相手の女性視点という二部構成で、

最終的に「なぜ向井くんはフラれてしまったのか?」を紐解く

考察も交えた作風なら面白くなりそうなものなのに、

コミカル成分が足りないからか、前半も後半も”同じ”に見えてしまうのです。

 

坂井戸(波瑠)がビシッとツッコむ立ち位置である事は事前に知っていたので、

前半で既にマッタリしていても、途中からは雰囲気が一気に変わって。

教室を舞台とした妄想の世界で、学生の格好をした向井が、教師っぽい格好をした坂井戸に

指導されていく様子が見られるのかな〜とか、

時間巻き戻し演出とともに、向井が今どの地点にいるか分かる

横のバーが表示されたりするのかな〜とか(説明が下手ですみません…)、

波瑠さんの早口で捲し立てる演技を堪能出来たりするのかな〜とか

いろいろ想像を膨らませていたんですが…

まさか、そんな”遊び”がほとんどないまま終わるとは、ある意味 意外でした(汗)

 

そして、本作にイマイチ惹かれなかった理由は、坂井戸のキャラクターにもあって。

なんか…個人的には”良い人”には映らなかったんです。

確かに彼女の言う事は一理ありますし、彼の言動に落ち度があったのも事実ですし、

彼が意見を案外すんなり受け入れたのも図星だったからだと理解は出来るんですけど…。

もし私が向井くんの立場だったら、友達でも恋愛カウンセラーを専門職としている訳でもない、

会って間もない人になんで”人生の大先輩”みたいに偉そうに言われなきゃならないんだと

キレたくなる感情が先に込み上げてきてしまいそうな気がしました。

(だから、一切キレなかった向井くんは、心優しい性格なのね…と思うなど。)

 

それに、「昭和の家庭」をぼんやり理想としている考えも、

価値観は人それぞれなので悪くないと思いますし。

現実世界には明確な夢や目標に向かって行動する人もいるだろうけど、

「何となくの幸せ」を考えながら生きている人だって同じくらいいると思います。

そもそも…向井くんが恋愛が分かっていない人なら、

坂井戸は傷ついた相手に上手く寄り添えない人とも言えて、

人の気持ちが分からない点では、どちらもお互い様なんじゃないでしょうかね?

 

だから、メインテーマは「主人公の成長物語」でも、

回を重ねるごとに、坂井戸も人の多様性に触れて、

最終的に「何となくの幸せ」も肯定出来る人に描かれて行けば良いんですけどねぇ。

彼女が正義感を振りかざす事で向井の心を抉って、”勘違い男”のイメージを植え付けていく…

という話だけ展開されていくのであれば、見続けるのは辛いかもしれません。

 

まっ…恋愛指南だけでは終わらない事を信じて、3話くらいまで様子見してみます。

 

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Source: りんころのひとりごと。

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