ワンパンマンにおける最強の敵。
おそらくはラスボスに相当する存在が「神」と評されるものとなっています。
村田版ワンパンマンと言われるリメイク版では本編に強く関わってきており、原作ONE版とは少し異なります。
原作のONE版ではホームレス帝に力を渡し、後に没収した者として描かれているだけ。
少なくともジェノス回と呼べる狂サイボーグ(暴走サイボーグ)との対決が始まろうとする原作141話まででは神に対する描写は基本ありません。
今回は村田先生のワンパンマン(リメイク版)を中心に「神」の存在、その正体について考察していきます。
ガロウ編で示された神の危険度
原作ONE版でのワンパンマンではホームレス帝に力を渡し、それを没収したところしか描かれていない神。
そういう意味では原作では本編にそこまで関わってきていません。
しかしながら村田先生のリメイク版ではガロウ編を通じて強烈に”神”という存在が本編に絡みました。
“神通力”を通じて怪人や人間を大幅に強化する神の力。
直接的に影響が出て苛烈に戦闘にも影響が出たのはホームレス帝とガロウであり、後者のガロウに関して言えば「完全に人知を超えた力」を手にしたと言えます。
怪人化し、圧倒的な力を手にしたはずのガロウがサイタマに敗れ、そこでジジイ(シルバーファング)の姿をした神と接触します(ワンパンマン209話参照)。
ここで神はサイタマのことを「神に仇なす拳」という発言をしていました。
「神に仇なす拳」に唯一対抗しうるのは何の拳だと思う?
ガロウはこの神が扮したシルバーファングが偽物と気付き、差し出された手を弾き返していますが「触れた瞬間に力を与える」という神の能力で代行者にされてしまいました。
そうして手にした力。
神に仇なす拳に対抗できるのは唯一「神の拳」であり、ガロウは体内に宇宙を秘めたような姿(覚醒ガロウ宇宙的恐怖モード)でもう一度サイタマとの戦闘に繰り出します。
何となく北斗神拳を感じさせる雰囲気もありますが、それも少しは意識されたのではないかという気がします。
ひとまずこの壮大な宇宙感を持つガロウを見ていれば「地球の意志」というような次元ではないと容易に想像がつくところ。
この点は後述します。
災害レベル神と明記は無くとも確定的な力
怪人には災害レベルがあり、最上位が「神」であるのは知られるところです。
過去に原作ONEを含めて災害レベル神と明記された怪人はいません。
しかしながら村田先生版のワンパンマンでのガロウはどう考えても災害レベル神と言っていいものでした。
「まだそんな強いのは登場していない」という声もありますが、表記がないだけで定義に即してみればレベル神なのは確実でしょう。
災害レベル神の定義は「人類滅亡レベル」というものです。
ガロウが神の拳を手にして、最初にサイタマに放った技が「全生命体根絶拳・核分裂」というもの。
これは核攻撃と同じ破壊力を持っていました。
更にサイタマの技を借りて連続普通のパンチを繰り出し、互角の打ち合いを見せました。
核爆発の連打が可能という時点で、もう人類が終わるに等しいものと言えるのではないでしょうか。
続いて繰り出した技は「ガンマ線バースト」であり、これは巨星が死ぬ時の最後に起こす爆発現象と説明されていました。
巨星が爆発するときの衝撃をもろに受けたら人類はどうなるのか。
これ一発でも、もし地球に向けられていれば人類は滅亡していたのではないでしょうか。
ガロウ自身では自らを「災害レベル神」と評していますが、それはほぼ確定的な事実と言えるものに思えます。
しかもこのガロウも「完全な力の付与」には至っていないことがブラストの会話でも分かっています(ワンパンマン211話参照)。
もし神の力を完全に付与された場合・・・それはもう災害レベル神の「人類滅亡」という次元を更に超えた危機が訪れると言って良いのではないでしょうか。
ちなみに過去サイタマの攻撃に何度も対応し、宇宙が絡んだ戦いまで到達したのは宇宙の覇者であるボロスだけでした。
(ボロスはサイタマを月に蹴り上げ、ガロウVSサイタマでは木星の衛星での戦いとなった)
このボロスも登場した時は「災害レベル神」であろうと言われていた存在です。
実際に「人類の滅亡」という意味で見れば、明らかにそれが可能な力を有していたと言って良いのではないでしょうか。
但し人類滅亡の存在があるところには必ずサイタマがおり、それゆえに「人類滅亡レベルの災害出会った事実」というのが分からないままになるだけです。
だからこそ表記としては災害レベルの設定がされず「まるで今までいなかった」というような雰囲気が出ているだけと考えるのが自然です。
ボロスも覚醒ガロウ宇宙的恐怖モードもどちらも災害レベルで言えば神だったと言って良いでしょう。
神の正体と強さは地球の意志なんて次元ではない
神の正体についてですが、よく言われるのが「地球の代弁者」という感じでガイア理論を元にしたような考え方になります。
ガイア理論というのは地球を一つの生命体とするジェームズ・ラブロックなどによって提唱された理論です(Wikipediaに詳しい)。
地球もまた生物の一種であり、そこに存在する人間を害悪として地球の意志こそが漫画ワンパンマンにおける「神」であり人類の滅亡を目指しているというものです。
しかしながら神の力は人類滅亡という範疇を遥かに超えており、それこそ地球そのもの、ひいては太陽系クラスを破壊しかねないような存在に見えます。
銀河系を飲み込むブラックホールすらも創り出してくるのではないかと予想されるような存在であり、地球の代弁者というよりは宇宙そのものを飲み込めるほどの力を持つ存在とするのが妥当かもしれません。
宇宙すべての頂点者であり、それに対抗しうるのが唯一ワンパンマン(つまりサイタマ)ということなのでしょう。
サイタマは神の逆サイド
神は人や怪人に神通力で強大な力を与えています。
おそらくサイタマもトレーニングの過程で「神とは逆側の存在」に力を与えられたか、もしくはその力を得るような何か出来事があったものと思われます。
それこそサイタマが普段から持っているヒーローを趣味とする心根に宿ったということもあるでしょう。
円谷プロに代表するウルトラマンのように宇宙から飛来した存在から得た力というようなものなのかもしれません。
終盤にはなるでしょうが、エピソードとしては「気付けよ!」とツッコミを入れたくなるようなものか「そんなアホな」という風な笑えるものが用意されていると予想されます。
それこそ拾ったバナナが実は超越者になれるアイテムで、腹が減った時に食べてしまってワンパンマンになったというようなものです。
それについても「ある日いきなり強くなった」というよりは強大な成長率と限界のない青天井の力といった「努力あってこその力」を得たと考えていいのではないでしょうか。
特にその力を外部から得たとすれば「頭がハゲたその時」というのが一つのターニングポイントになってくる可能性もあるでしょう。
神と神に仇なす者という構図は、宇宙を通してずっと行われ続けてきた歴史的な戦いということもありそうです。
それこそ新たなSF小説の金字塔と呼べる三体を思わせるような多次元を含む壮絶な争いがあるのでしょうか。
ここで描かれるような存在との戦いは、ある意味で全てを超越した者同士の戦いを見ているようにも思えます(三体はバトルものではないので少し意味合いが異なりますが)。
サイタマが神の逆サイドの代行者であるのか、それともサイタマそのものが神の逆サイドとして唯一の存在なのか。
これもまた村田先生のリメイクバージョンの終盤で描かれることになりそうです。
ONE先生がワンパンマンの終幕をどう考えているのかは不明ですが、こちらも神についての言及が色濃く為される日が来るのでしょうか。
リメイク版と原作版、どちらも今後の展開を楽しみに待っていましょう。
ちなみに執筆時点ではONE原作は141話で止まっており、1年半以上更新が途絶えています(おそらくメタルナイト傘下の機神との戦いに向かうジェノスとサイタマという展開)。
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Source: マンガ好き.com
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