Get Ready! 9話 感想|見切り発車の構成が招いた結果かもね…

ドラマ

 

 

本作を見ていると、「このエピソードを◯話に持ってきたら…」とか

「最初からこの設定がなければ…」とか、

ついついタラレバを言いたくなってしまいますね。

当初の段階で、主人公率いる仮面ドクターズの行動理念やコンセプトをきちんと定めず、

まるで見切り発車のように話を進めていった事が、

今回になって大きく響いている気がします。

 

例えば、剣持(鹿賀丈史)のカミングアウトだってそう。

彼が改心したのは、娘・玲於奈(結城モエ)の命を救って欲しければ

13年前に起こした臓器移植に関する罪を認めろという

エース(妻夫木聡)の発言があったからなのですが、

その描写だと、エースの判断基準となっている「生きる価値のある人」に

矛盾を感じさせるんですよね。

 

もう少し具体的に言うと…正直納得行っていない方が多いし、

最終決断までの流れに多少の違いはあれど。

初回の渋谷(池松壮亮)や、2話の坊城(柄本明)、そして6話の嶋崎(鶴見辰吾)など、

相手の動きに”変化の兆し”が見えた所で、仮面ドクターズが手術に踏み切る…

というのが今までのパターンだったのです。

しかし、今回はエースが直接駆け引きをし、

自分の思い通りになるように剣持を誘導する姿が描かれました。

 

うーん…因縁の関係なのは分かりますが、そこにこだわると”復讐劇風”になってしまって、

本作がうたっている「“生きる意味を問う”異色のヒューマンドラマ」が霞んでしまう訳で。

連続ドラマにおいて、作品の芯を曖昧にさせる描写はタブーだと思うんです。

せめて、剣持が娘を溺愛していた様子や、

前回の過去エピソードも踏まえて、自分があの時悪事に手を染めた理由が

天野に手柄を奪われる事の嫉妬や焦り、権力欲からきていたのだと自覚し反省した上で

初心に帰ろうと決心する様子が描かれていたら、

あの思い切った行動にもまだ納得出来たのかもしれません。

 

その”復讐劇”にしてもね…

前回で主人公の挫折が明かされてからの今回なので、

急過ぎて、彼や真田夫婦が報われるのにも感情移入しづらいと言いますか。

某ドラマ風に言うと、カタルシスが整っていないんですよ。もう、ガッタガタ(汗)

 

チームの分裂も、3話の感想でも書いた通り、

エースの主観で患者を救うか救わないかが決まるため、

ジョーカー(藤原竜也)の存在意義がイマイチ感じられなくて、特にピンチには思えないし…。

それに、警察が「なぜリスクを冒してまで違法な医療行為を続けるのか?」に

関心を寄せるようになるのも、最終回前でやるタイミングではないんじゃないかと。

…構成に関してツッコミ出したらキリがないですね。

 

来週でやっと最終回ですが…剣持を改心させた辺り、

あとはチームが解散するか?エースが逮捕されるか?だけで、

駆け足で終わる事はない気がしております。

ただ、最低限「生きる価値」に触れる内容であって欲しいです…。

 

↓前回の感想はこちら↓

 

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Source: りんころのひとりごと。

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