えぇ〜…そうなっちゃう??なラスト。
一気に「ザ・日曜劇場」臭が増しましたねぇ…。
那由他(山﨑賢人)・隼人(松下洸平)・公哉(柳俊太郎)の3人で培ってきた野望が
海(岸井ゆきの)との関係や、2人に出会わなければ忘れていたであろうじいさんズにも
受け継がれていく様子をせっかく面白く見ていたのに、
そのワクワク感を奪ったのも、大手企業と中小企業の戦いに勝手に割り込んできたのも
“因縁”には全く関わりのない銀行っていうのが何だか解せません。
日曜劇場は銀行を絡めないと気が済まないんでしょうか(笑)
過去の出来事以外に、興津(オダギリジョー)がアトム玩具にこだわる理由が
イマイチ分からないのを筆頭に、
以前から曖昧な箇所は曖昧なままにして物語を進行していったり、
ラストは毎回「上げて落とす」形に頼りきりで、ゲーム制作で切磋琢磨するよりも
アトム玩具をどうやって潰すかが狙いになってしまっているように映ったりと
ちょいちょい雑な部分は見受けられたんですが、
それにしても、今回はやり過ぎだったような気がします。
確かに、ゲームの売り上げがうなぎ上りになったきっかけは
消費者のオタク心理に沿って描かれていたので、説得力のあるものにはなっていましたが…
全体的にダイジェストっぽくサクサク展開されていったためか、
「崖っぷちだった企業がジョン・ドゥと手を組んで大ヒットゲームを作る」点では
カタルシスを感じにくかったんですよね。
最も気になったのは、2つの賞レースの立ち位置。
日本ア○デミー賞のパロディに思えた割に人が少ない
「ジャパンゲーム大賞」は、ゲーム業界においてどの程度価値のある賞レースなのか?
「ベストワン賞」も応募社数はどれくらいで、厳選なる審査で行われているものなのか?
賞をとるには大きな苦労を要するのか?
そういった詳細がボカされているのに、あっという間にベストワン賞とった!
でも銀行に邪魔された!ってぽんぽん進められても…気持ちが追いつかないのが事実です。
銀行も果たして、あんなに地上げ屋っぽく描く必要があったんでしょうかね。
あのくだりも、いくつもの違和感が生まれてきますよ。
例えば…株式の譲渡や買収は(多分)、本来は株主総会を開き、
上層部の退任の多数決をとってから行われるものであって、
一方的な考えで差し押さえる事なんてまぁあり得ないでしょうし。
公哉が契約書を読めないのは分かるけど、
元銀行員の海や財政管理の鵜飼(林泰文)が契約条項に気づけなかったのも不自然。
そもそも、鵜飼を利用してアトム玩具を潰そうとしてきた件があるのだから、
その時点で支店長・小山田(皆川猿時)に
法的措置をとらなかったのもなぜ?と思えてしまいます。
ドラマはリアリティを追求するべし!とは言いませんが、
ビジネスやサクセスストーリーを描く以上は、ある程度は残していただきたいです。
盛り上げようとするのに必死で、衝撃のラストありきで
話の構成を考えているのが丸見えだと、”予定調和”感が目立って冷めてしまうんですよね。
せめて、二者間の因縁を描くなら描くでそこにこだわって、
数字を重視するSAGASが、自分たちにはない技術力や発想力を持っているアトム玩具から
特許を奪い取る流れだったらまだマシだったのかもしれませんが…
う〜ん…もう後の祭りかな。
演出においても、オダギリジョーさんが顔芸を披露してきたり、
銀行員が大声でまくし立ててきたりと、かなりコッテコテの日曜劇場要素を出してきた印象。
まぁ…よくよく考えてみたら、主要キャストは若けれど
元々はあの役者さんが敵役になる予定だったのだから、
今回のような内容になるのも仕方ないというのか。
でもね…オダギリジョーさんは少し笑みを浮かべたすまし顔をされているだけで
十分に”脅威”の存在に感じるのですし。
とりあえず、土下座させて片付ける方向には持って行って欲しくないですね。
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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