前回の感想でも触れた通り、本作は1時間で見せる内容に対して
盛り込んでいる量がかなり多いです。
冤罪事件の調査だけでなく、昭和の価値観のおじさんたちが集うマスコミ業界の現実や、
恵那(長澤まさみ)が今のボロボロの体になるまでに至った背景、
正一(鈴木亮平)とのスキャンダル、さらには拓朗(眞栄田郷敦)のあの”手”の件まで…
とにかく、テーマの異なるエピソードが一挙に集っています。
だから、これらをひっくるめて、どんな結末へと持っていくのか?が読めない上に、
なぜこれだけ複数の謎を作り出したのかも、現段階でまだ掴めておりません。
まぁ、それが楽しみに繋がっているんですけどね。
でも、前回と今回を見て分かったのは…
報道に誠意持って向き合おうとすればするほど、何が正しいのか分からなくなってしまった
「過去(=迷っていた頃)の自分」を乗り越えるまでの
恵那の変化を描く物語が主軸になるんじゃないかな?という事。
数々の”揺らぎ”を表す演出が印象に残ったんですよねぇ。
例えば…沸騰したカレーを映す、わずかな間とか。
恵那が正一に本音を話し始めた途端、カメラワークがブレるとか。
どこから自分が崩れてしまったのかを模索するかのようなランニングのシーンとか。
1つ1つのちょっとしたパーツの積み重ねが、
何事にも逃げない強い自分を演じていても、時々”脆さ”が見え隠れする…
そんな主人公の人物像に立体感を持たせているように思えたのです。
で…冤罪事件に関しては、ある意味、彼女を奮い立たせる起爆剤的な存在として
今後描かれていくんだろうと踏んでおります。
エンディング映像も中々凝ってますね。
終盤の方は内容とリンクさせる形で、毎回変わるようです。
でも、それ以前に…前回見た時は
「これから虚構の中の真実を見つけ出していくんだな…」という恵那の”覚悟”にもとれた映像が、
今回では、序盤で笑顔で振舞っている様子から、スタジオにいる彼女を撮った映像全体が
アナウンサー時代の彼女の”闇”を映し出しているようにも見えて、
見え方次第で印象が変わってくる作りになっているのも面白いです。
最近流行りの考察要素を絡めている上に、
下手したら現実味が強くて重苦しくなりそうな題材を、
エンターテインメント作品として上手く消化出来ていますね。
あのニュース映像も、本物を使っていてびっくりしました。
本当に、最後まで独自路線で突き進んでいって欲しいです…!
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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