プリズム 8話 感想|誰も傷つかない世界なんてない

ドラマ

 

 

約11分半にもわたる告白大会…いや〜………圧倒されっぱなしでした。

もう今回はそれに尽きますよ。

しかも凄いのは、本音をぶつけ合うにも、どこかカフェや家に移動して、

話の最中で机を叩いて感情的になったりだとか、

途中で逃げ出して誰かが追いかける…といった、いわゆる”動”の展開じゃなくて、

森をバックにワンカット長回しで、彼らの様子をずっと映してきた所。

誤魔化しの効かない構図だから、その分、3人の演技や台詞が

目や耳にダイレクトに伝わって来やすい。

そして…いつもだったら、淡い光に照らされる登場人物のアップが多いイメージがあるんですが、

このシーンだけは引きの画で撮られ続けていたのもまた”違和感”に繋がっていて、

その”違和感”が物語への没入感を高めさせていたとも思います。

 

で…ずっと引きで撮っていた…と書くと単調にも捉えられですが、決してそうではなく。

例えば、悠麿(森山未來)と顔を向かい合わせて話している時は、

輪から外れ気味の陸(藤原季節)が画面からフェードアウトしていって、逆もしかりで、

3人で考える問題にぶち当たったら、3人が画面内に収まって…というように。

相手と話す機会を逃したくない、自分の心が、お互いが納得行くまで

とことん話し合いたいという皐月(杉咲花)の強い想いが反映されたともとれる

映像の変化のつけ方も合わせて、興味深く視聴しました。

 

話を切り出したのは皐月で、皐月を中心に話が広がっていっているんですけどね。

でも、陸と悠麿の関係性は誰にも手の届かない遠い場所にあって、

それくらい深い情で結ばれたものなのだというのが、画面越しでも十分に伝わってきて。

(陸の今までに聞いた事のない、悠麿と話す時の声の高さで察しましたよね…)

彼女が何か本音をぶつけようとすればするほど、

そこには到底辿り着けない疎外感を感じさせて、見ていて苦しい気持ちにさせられました…。

 

「無傷で人を愛すなんて、そんな生易しい事出来ますかね!?」

まぁつまり…誰も傷つかない世界なんてない。

私は優しい世界で溢れた作品が好きではあるけれども、

娯楽として作られる”フィクション”だからこそ、そういった世界は成立するのであって、

実際には、みんな上手くいくなんて事は早々ないのかもしれませんね。

何話か前の感想に「3人で過ごす線もアリなのかも」と書いた件、反省しております…。

もちろん、軽はずみな気持ちで書いたんではないんですが。

 

約11分半、見ていて辛かった……

トラックで移動するくだりが無音でサラ〜っと処理された辺り、

きっと車内でも無言を貫いていたのかも……と思うとしんどい話ではありましたが、

その後の正直過ぎるコミカルパートにはかなり救われました。

ああいう分かりやすい緩急があると、助かります。

いや〜…それにしても、陸に本当に振り回されっぱなしでしたわなぁ(泣)

せめて最終回では、皐月のイキイキとした表情を見たいです。

 

そうそう、あと書き残したい事と言えば…

何かと活発な役が続いたソニンさん、本作での役は新鮮に映りましたね。

子供の頃から温かく見守ってきたような故郷のご近所さん感(?)がぴったりハマってました。

 

↓前回の感想はこちら↓

 

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Source: りんころのひとりごと。

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