うーん…取り扱うものがものだっただけに、今回は一際重い回でした。
佳純(伊東蒼)の気持ち、真耶(菊地姫奈)の気持ち、
佐久間(木村文乃)の気持ち…頭の中でぐるぐる考えながら見ておりました。
保健室で久しぶりに会った佳純に「うちら同類でしょ?」と言った真耶。
一気に距離を縮めてくるので、佐久間が注意したように、
たとえ家庭環境などで心身ともに同じ傷を抱えていたとしても
今は1人だけでいたい人、仲間を探して辛いのは自分だけじゃないと思いたい人、
それぞれに自分なりのペースがある訳で、
きっと、佳純もどうやって接したら良いのか動揺していた所もあったかもしれません。
でも、真耶の気持ちも分かるんです。
学校にも家庭にも居場所がなく、心にぽっかりと穴を空けたまま毎日を過ごしていたのが、
ある日偶然、佳純に会えた。
自分は孤独じゃなかった。自分の苦しみを分かち合える人に出会えて
嬉しくてたまらなかっただろうなとも思います。
ただ、共依存になるんじゃないかという恐れも感じて、複雑ではあったんですよね。
藤竹(窪田正孝)の誘いで物理準備室に入ろうと決めたものの、
知らない人の声が聞こえて、入り口の窓がすりガラスなだけに中も見えなくて
自分が入っていいんだろうかという不安で押し潰されそうになる所に
アンジェラ(ガウ)が話しかけてくれて、第二のハブが出来そうで良かったと思うと同時に、
後ろで見ていた真耶の反応に胸がキュッとなりました。
みんな種類は違えど思いやりのある人たちばかりなので、
佳純に新たなハブが出来そうな予感がする。それは喜ばしい事なんです。
けれども…このまま2人の距離が遠くなってしまったら
真耶は自暴自棄になるだろうし(だからオーバードーズしてしまったんですし)、
真耶について行ったとしても、共倒れの道を辿っていくだけ。
だから、どちらも最善の道とは言い切れない…
やっぱりここは大人が手を差し伸べて欲しい…とも思うんですけど、
重要な物事を任された大人だって、いつも正しい選択が出せる訳ではないんですよね。
真耶を突き放したとも取れる佐久間(木村文乃)の発言は確かにキツく聞こえたんですが、
そうした理由を話す時に声がだんだん低くなっていったり、
「自分を救おうとする人間しか、私は手助け出来ない」と言った時には目が泳いでいたり、
後で思い詰めた表情を見せたり…強気な言動とは裏腹に、後ろ向きな姿が多かったのです。
厳しく接した後も、本当にこれで良かったんだろうかという葛藤が見えた。
だから、私は彼女を責められませんでした。彼女は多分…とっても不器用な人なんだなって。
佳純が見つかってハグしにいったシーンだって、
佳純が無事で良かったという安心の気持ちももちろん入っているんだろうけれども、
また同じ過ちを繰り返さなくて良かった…という安堵も含まれていたんだろうとも思います。
2人のハグシーンは一瞬、オポチュニティとスタッフの間にある特別な関係性を思わせて
感情が込み上げてくるようでした。
藤竹の話によると、運用期間3ヶ月の予定だったオポチュニティが15年も持ったのは、
想定外の幸運が重なった事もあるけれども、
オポチュニティが出来るだけ長く旅を続けられるように
スタッフがあらゆる努力を重ねたから…らしいです。(その話も泣けたなぁ…。)
佳純も佐久間もまだまだ足りない部分はあるけれども、何か問題にぶつかるたびに
自分の歩幅でゆっくり克服していけたら良いですよね。
そしていつか、真耶もフォローしてあげて欲しい。
それぞれの未来を願いたくなる、そんなシーンでした。
佳純は科学部に入部を決め、記録係を託される事に。
岳人(小林虎之介)は積極性に溢れていて部員をグイグイ引っ張ってくれますし、
アンジェラ(ガウ)は大気を安定させてくれる存在です。
2人が様々な事情で文字書きが苦手な代わりに、佳純が補ってくれる。
得意な部分も苦手な部分もお互いカバーし合える、中々素敵なチームなんじゃないでしょうか。
そこに次回から長嶺(イッセー尾形)が加入するようで、
どんな化学反応を見せてくれるのか楽しみです。
火星の空を見つめる3人のシーンで終わりなのも良かったですね。
見終わって気持ちよく眠れそうな余韻を残してくれました。
キラキラした目で見つめる3人のカットが今回のサムネイルにもなっていますが、
やっぱり、何かに夢中になれるものがあったり、
夢や目標に向かって一生懸命打ち込んだりする時の表情は美しい…というのを
このドラマは教えてくれます。
大人になってから…そんな経験をした事があったかな?
ちょっと羨ましくもなっちゃいますね。
↓前回の感想はこちら↓
Source: りんころのひとりごと。
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